【文スト】故に我、汝の敵となる。

第三十二話 ページ33

あ、中原先輩と太宰さんが戻ってきた。



中:悪い。遅くなっちまったか？



貴:大丈夫ですよ！さっき商品が来たとこですから、多分先輩のもまだ温かいと思います！



中:そうか。…いただきます。



貴:えっ。



中:あ？



貴:い、いえ、なんでもないです！



意外に行儀よかったんですねーとかは言えない…。



けどもっと言えないのは



なに話してたんですかって…聞きたい！けど聞いちゃいけないのは私でもわかる！！！



あ。でもこれなら聞いていいかな…？



貴:あの、



中:？



貴:太宰さんとはどのような人なんですか？



中:…あいつは裏切り者だ。



はっ！？



貴:えっと、じゃあ太宰さんは元々…？



中:あぁ。



裏切り者…裏切り…その言葉を聞いて私の心には怒りが芽生えた。



と、同時に太宰さんに対する考えが一転した。



義家族。友達。様々な人達に裏切られながら生きてきた私は。



貴:裏切り者は嫌いです。



そうぽつりと呟いたのは中原さんに聞こえてないだろう。

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