影ノ守り人【炎炎ノ消防隊】

肆 ページ6

｢今から朝飯なんだが、お前は｣



｢食ってはいないが｣




｢じゃあ食べていけ｣



｢……いいのか。敵だぞ？｣




｢交戦する気は無いと言っていただろう｣





メガネ……冷酷なタイプかと思えば意外とお人好しか。



｢ではありがたく。｣





｢あ、2人とも帰ってきた！遅かったな｣




｢もう腹ぺこっすよ〜って、は？｣




｢白装束の一味、と言えばわかりやすいか？伝導者麾下、灰焔騎士団所属、元殲滅特化兵。名はAという｣




｢……あんた、ショウの隣にいた、｣




｢シンラ……だったな、団長の兄。それで間違いないだろう｣


｢なんでそんなやつが、ここに｣




｢とりあえず飯だ。話は後で聞かせてもらう。傷も後で見てやる｣



｢ありがたいな、……ええと｣




｢武久 火縄｣



｢火縄。礼を言おう｣




戦闘態勢に、とまでは行かなかったが相応に警戒はされたな。




……まあ当たり前といえば当たり前なのだが。




火縄の飯は、美味かった。




逃げてきた時に1度死んだような気分になっていたが、なんだか生きた心地がする味。




……いい所だな、ここは。

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