影ノ守り人【炎炎ノ消防隊】

参拾肆 ページ38

｢んん、帰ってきたなぁ、東京｣




｢お父さんとお母さんは安心してた？｣




｢うん！スコップたちのことは伝えといたよ！｣





そんなに困ってるならじゃがいもくらいあげたのに、だそうだ。優しい人たち。





｢もっと冒険したかった……｣







｢あのガス楽しかったな！｣





みんな合法でガス楽しんでたのか？





……とりあえずは第8に戻って報告だな。






｢今回行った調査の結果、天照の中に人間がいると判明しました。だとすれば聖陽教の聖典は間違えた間違った教えを説いているということになります｣





｢当たり前だ！俺たち一族が天照を作ったことも書いてないんだから｣





｢まぁ聖典とはそういうものだな。自分たちにとって不都合な事実を捻じ曲げ綺麗事のみを並べる。……それでも綺麗事が綺麗であるなら正直構わんと思っているが。ただ、｣





｢偽りの教え……伝導者と聖陽教が繋がっている可能性があるということか！？｣





｢あ、すまない、私はわからない……というか、そろそろ私の持つ情報は出切っている｣





｢えッ｣





｢落ちこぼれなもので。機密など何も知らないし……まぁ興味もなかったな｣




いやすまん。全く役に立てなくて。





｢……｣





｢アイリス大丈夫？｣





｢一人の女性の犠牲の上にこの国があるなんて……｣





｢聖陽教徒の私たちとしては信じたくないことだよな……聖陽教は悪なんですか！？｣





｢確定はできない……だが聖陽教が生活を支えているのは確かだ。太陽神の御加護には感謝している｣





｢ありがとうございます……｣






……無理もないか。
信仰の先が敵かもしれないなどと言われたのだから。

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