影ノ守り人【炎炎ノ消防隊】

番外編弐 ページ36

｢……つ、疲れた｣





｢Aさん！次これ着ませんか？｣





｢Aにはこれがいいだろう｣





現状。

要するに着せ替え人形にされている。





いや2人の目利きはいい。
着心地もいいし動きやすい、けど可愛い。




だが物事には限度というものがだな……





結局、多分30着程度買った。





｢悪いな、2人とも私の買い物につきあわせて｣





｢私はこの間買い物に来ましたから！｣





｢ふッ、姫に似合うものを選ぶなど造作もない｣






｢若干怖いがお前なりの誠意であることは伝わったからまあいい｣





ていうか私も姫なのか？






｢あ、そうだ！喉渇きませんか？美味しいケーキ屋さんがあるので、お茶しに行きましょう！｣





ーーーーーー




｢……いやアーサー、モテるのな｣





大量に逆ナンされていた。私たちの存在は無視か。





｢ふッ……｣





｢アーサーさん顔はいいですから……それよりその女の子たち全員を落としていったAさんの方が末恐ろしいですよ……｣




アイリスがよく行くというお店でケーキを食べながら。





｢さすがに傷つける訳にはいかないからいなそうとしていただけなんだが……｣





｢それがすごい紳士的すぎると言いますか……｣





いちごのたくさん乗ったタルトを食べている。美味しい。





｢前から思っていたが、Aは美味しそうにものを食べるな｣







｢美味しいとつい表情が和らいでしまうから……変かな｣






｢いや、可愛くていいと思うぞ｣






｢そうか？ありがとう｣





(なんでこの人たち恥ずかしげもなくこんなこと言えるんだろう……)




アイリスに呆れた顔を向けられていたような気がするがどうしたんだろうか。








ーーーーー




｢買い物、楽しかった。また連れてってくれるか？｣





｢もちろんです！｣





帰ってきた。
……ら、外の掃除をしていたシンラに、持っている袋の多さに驚かれた。




｢……ふふ。もう次が楽しみだな｣

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