影ノ守り人【炎炎ノ消防隊】

拾伍 ページ17

ステンドグラスから差し込む光が綺麗。






｢……それが経典？｣





｢そうです。聖陽教の｣




シンラが第4に行っている日。
アイリスとの対話の日。




｢ええと、私に聞きたいこと、とは……｣




｢地上での……一般的な、世界のあり方について知りたいんだ｣




焔ビトとは。
人工的な人体発火とは。
……伝導者とは。





一体、外ではどのように言われているのか。





｢……わかりました、お話します｣






ーーーーー



全て聞いた。




ヒトの存在意義を認めてくれる世界。




……流されるままではいられない責任感と、その代わりに得た自由の両立した世界。




使命だのなんだのと言われ、伝導者について来て。





経典が本当に全て正しいとは限らない。
だが、それでも、






本来ヒトがあるべき姿とはこうあるべきじゃないのか。






今まで、何も感じていなかったのが嘘のように色々考えて、たどり着いた自分の答え。





やはり、あそこは、






｢……消防隊にとって、白装束とは、どんな集団なんだ｣






｢えっと、それは……｣





｢異教徒、しかも、本来あるべき生命活動を妨げてまで自己の目的を達成する……自己中集団。……間違いないか｣





｢ま、間違いでは……無いです……｣





｢……ありがとう。アイリスは優しいな｣




｢そんな、私は｣




｢傷つけないようにしてくれたんだろう？……優しいよ。私には過ぎるくらい｣





微笑んだつもりだったが、上手く微笑めていただろうか。

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