影ノ守り人 参 【炎炎ノ消防隊】

玖拾漆 ページ10

……ヤバい。




「帰り道が、わからん」





入り組みすぎなんだよ地下。





なんとなくで道をさかのぼって来たが、それすらもあっているかわからない。





……要するに、迷子。





かっこよく締まらん。





どこかで一旦地上に出るか……




あぁいやでも指名手配中だよなあ。




いくらメットで隠していたから私の顔が知れていないからと言っても、全く知らないわけではないし、第8のツナギを着ているし。






……あれ、詰んだ。





「どーしよう……」





折角過去の清算しに行ったのにその帰りに迷子になるって何なんだ。





いやほんと自分バカ。





目印に何か置きながら歩くべきだった。





……あれ、光？





遠くに見えた光。




よく目を凝らしてみると、





「……リサの漁火？」





なぜ地下に。




……いや、それよりも。




あれだけの炎を出さなければならない状況ということか？





伝導者麾下がいるのか。




速く助太刀しなければ……




光の方向へ走る。





身体が重い。





やはり前までのようになるにはもう少し必要だな。






曲がり道を曲がった先にいた。





「おいリサ、大丈夫か……って、何してんだお前ら」





白装束はいなかった。





……その代わりに、アーサーとヴァルカン、あと……子供。

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