影ノ守り人 参 【炎炎ノ消防隊】

玖拾玖 ページ12

アーサーの父と母に話を聞いていくと、何故か伝導者や人体発火の仕組みまで知っていた。





｢親父さんどうやって！？｣






｢どうやっても言われてもな｣





懐から帽子を取り出す。






｢俺は予言者だから｣





帽子の中に見える満天の星。





それを見ていると、この星の真実がわかるのだと。






……帽子の中の満天の星って、帽子から透けて見える光のことだよな？





……うーん、どう繋がるのかさーっぱりわからん。





｢偶然にしてはできすぎてる。怪しい……罠の可能性もあるが｣





｢個人的にはアーサー並の頭の人がアーサーの家系以外から出てる方が怖い｣





これ真似できるものでは無さそうだし。






｢それは確かに｣






それにここまで勘が良いのも、アーサーって感じがするし。





……というかなんでアーサーって人の中を見れるんだろう。心眼？





……まぁ、オリハルコンの在処を知っているらしいし、うん……運命に導かれてるってことにしておくか……





……え、オリハルコンあるの？伝説上の金属だぞ？





ーーーーーー





アーサーは、両親との感動の再会なのに、割と冷めている。





……いや、冷めているというより、自分の思う職務に忠実であるが故に気持ちに気づいていないのか。





……いやでも馬鹿だしなぁ。





考えるのはここまでにしよう。





連れてこられたのはガラクタの山がある場所。






大災害前の機械が集まっているらしい。






何に使われるかさっぱり分からないようなものたち。






本当にこれらが何か役割を為していたのかどうかすら不安になるような小さなものまで。





……大災害前って、どんな世界だったんだろうなあ。






見せられたのは、円錐状の金属。






｢なんか良いやつっぽいだろ？どうだ？｣






理由がふわふわしている。いや確かに良いやつっぽいけど。





｢これってもしかして……宇宙ロケットのフェアリングか！！｣

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