【明治東亰恋伽】孤独姫は泡沫に…【菱田春草】 (ページ10)

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9話ー学校なう1ーページ10

ここは、上野。
確かに、美術大学、上野にあるもんな…。

中に入り、廊下を歩いている。

『芽衣ちゃん、何処が目的の教室かわかるの？』

芽衣「うん。前にも、来たからね。」

私は、ある絵に目がいった。

『すごい、白と黒でこんなに表現出来るなんて……。』

芽衣「え？う、うん！すごいよね!」

彼女の返事は、どことなく曖昧だったが、全然気になんなかった。

芽衣「……、ううん、違うよ。」

『え？』

芽衣「それ、白黒じゃなくて、カラー……。」

『………!!』

まただ……、私は間違えてしまった。
正確には、見えてしまった。

芽衣「中学の話し本当だったんだね……、白黒で世界が見えること……。」

『この話しは……、内緒でお願い……。おいといてくれ……。』

彼女は、悲しそうな顔をしていたが、笑って、「行こう!」と優しく、言ってくれた。

教室の前に着くと、「すみませんー。」と言って扉を開ける。

芽衣「すみません、春草さんいますかー。」

春草「君…!!」

大観「芽衣じゃねぇか！久しぶりだな!」

春草「ちょっと……。」

芽衣「大観さん、お久しぶりです。」

何か騒がしいけど、何だろう。まぁいいか。

遅い、教室からなかなか出てこない。
私は、思いっきり開けた、少し怒り気味に、「芽衣ちゃん!?」と言った。

芽衣「あ、姫ちゃん!」