【明治東亰恋伽】孤独姫は泡沫に…【菱田春草】 (ページ40)

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39話春草sido ページ40

俺が朝起きると、俺の上に彼女が乗っていた。
邪魔なんだけど……。
手をあげると、彼女の裾を引っ張っていた。

春草「!!何でだ?」

『ん、んん……。』

春草「もしかして、起きた……?」

『う……、お兄様……。』

春草「寝言か……。」

一旦静かにになったと思えば、彼女はまた何かを言った。

『魂依……姫だか……ら……。』

魂依姫……?
何だそれ。

『お母様、なんか……、私を……何とも……。』

『思わないんですか!!!』

すると、彼女は勢いよく起きた。
そして、彼女は荒い息使いをした。

『夢、……。ゲホッ、喉痛っ…。私、何のために生きてるんだろ……。この瞳は何を写したいの……。』

彼女、かなり悩んでいるみたい。
そう言えば、白黒にしか世界が見えないとか言ってたな。不便なんじゃ…。

『そうだ、私はここにいちゃ駄目なんだ。消えないと……。』

春草「何また、同じこと言ってるのさ。」

あ、喋っちゃった……。
つい……。

『……!!貴方は、愛する人がいますか?』

春草「は？何急に。いるけ……ど……、それが何……?!」

『では、その人を大切にしてあげて下さい。私は、愛する人もいなければ、愛してくれる人もいません……。』

彼女は、笑っているけれど何処かその横顔は、切なく見えた。

春草「まさか、君は……。じゃあ、聞くけれど君には本当に愛する人がいないの?」

『だ、だから言ってるじゃないですか……!!いないと!!』

これは、いるな。
けれども、それが両想いが叶わないところか…。

『でも、私は…好きなんです。』

春草「えっ…?!」

『三毛丸が!!』

春草「……。」

何驚いてるんだ。
てか、いい加減気づいてほしいよね、俺が君を好きだって事を。