【明治東亰恋伽】孤独姫は泡沫に…【菱田春草】 (ページ27)

今日:1 hit、昨日:3 hit、合計:43,809 hit

26話ー決意ーページ27

芽衣「姫ちゃん、昨日は心配したんだよ?」

『ごめん。』

彼女に、ごめんとおもった事は、何回目だろうか。
分からない。

『私さ、ずっと前から芽衣ちゃんに謝りたいとか、言ってたじゃん。』

芽衣「うん。でも、なんのことで?」

『芽衣ちゃんが、妖怪が見えるようになったのは、私のせいなの。』

芽衣「え。」

彼女の腕が止まった。
そして、また動き出す。

『私、魂依の中では特別な、魂依姫なんだよね。それで、芽衣ちゃんが四歳の時、ひょんな事から、貴方に魂依の力を授けてしまったの。』

芽衣「別に、私は怒ってなんかないよ。はい、終わり。」

そして、彼女も椅子に腰かけた。

芽衣「だって、別に魂依って面白いじゃん!」

『でも、その力のせいで……!!』

芽衣「もう、それはいいの。明治はね、自分が自分らしくいれる場所なんだよ。」

『自分らしく…?』

芽衣「私は、姫ちゃんにたった１ヶ月という時間を大切にしてほしい。そして、また小さい頃の姫ちゃんを見たい!」

小さい頃、まだお父様がいた頃。
そう、お兄様だって……。

『うん。ありがとう。私、頑張ってみせる!!』

芽衣「それと、愛もきっと見付けられるはずだよ。」

『えぇ。きっと私なら……。壁を破ってみせて、色とりどりな世界を。』

絶対、お母様のイライラを忘れるぐらい楽しんでやるんだから!!