【明治東亰恋伽】孤独姫は泡沫に…【菱田春草】 (ページ26)

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25話〃ー絵ーページ26

春草「只今帰りました。」

芽衣「あ、春草さん……ってええぇええ?!」

春草「何さ、そんな声だして。」

芽衣「だって、え？え？姫ちゃんを何処で……。」

やはりこうなることは、予想はしていた。

春草「何か、下駄の鼻緒が摩れて歩けなくなってたみたいだから、おぶってきた。」

『……、どうも。』

いゃ、どうもじゃないだろうが。
不思議すぎる。
未来人って、全員こんな感じなのか?

芽衣「へくしゅっ!誰か噂したのかな……。」

春草「じゃ、俺は部屋に……。」

何だこの猫。
そういえば、あの時からずっといたような……。

芽衣「わー！！この猫ちゃんどうしたんですか?!」

春草「彼女についてきたみたいだよ。」

猫は俺に気づいた瞬間、彼女の後ろに逃げた。
なんでだ？

『あーあー、あんたが猫を怖がらせるから。』

俺、何かしたか?
見に覚えがないのだが。

芽衣「とにかく、姫ちゃんは治療しましょ!」

彼女は、足を引きずりながらゆっくりと部屋へ入った。
てか、俺。
外でなにやってたんだろ。
鞄から紙を取り出すと、あの猫と彼女の姿が描かれた絵だった。

これ、俺が描いたのか？
でも、筆圧とか俺だしな……。

ただ、言えることは、この時の彼女は美しかったんだろうなってことだけだった。