【明治東亰恋伽】孤独姫は泡沫に…【菱田春草】 (ページ22)

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21話ー消えたいーページ22

只今、私、よくわからない場所にいます。
そして、川を眺めています。
流石にあんなことあった後だと、帰りにくい。

この猫のお面……、どうしよう。
変装として、着けとこうかな。

月は、もうすぐ新月。
後少し……、もうこんな所……。

でも、現代も嫌。
お兄様がいない中、誰一人、私に味方する者なんて……。
明治もそう……、もう消えたい。

そうだ！あの小説さえ、書き終えれば!!
でも、読めない所……、でも書ける！
そこは、しょうがない！
明日から書こう！
今週末には書き終える。絶対。

『寒い……。』

けれども、気にしないのが自分。
風邪悪化しそうだけど、大丈夫か。
何だか眠く……。

『……ん……?』

私が気がついたときは、まだ暗かった。
何処だここ…。
そうだ、川の近くで寝たんだ。
そうだ、そうだ。

『よく寝た……。』

さて、これからどうしようか。
とにかく、夜明けまで待とう!

数時間後、朝日が見え始めた。

『おぉ!』

明るいと行動しやすい。
私は、歩き出そうとすると、足が悲鳴をあげた。
下駄がすれ、足が腫れている。

『嘘……。』

私はただ、そこに呆然といることしか出来なかった。
生憎ここは、人通りが少ないと聞いたので助かる。
でも、どうしよう……。