【明治東亰恋伽】孤独姫は泡沫に…【菱田春草】

12話ードッペルゲンガー？ー ページ13

私が、路地裏から出てくると、菱田春草が立っていた。


『あれ、お前は……。』

春草「え。何で……。」

『何してるの。』

春草「いゃ、君に似た人がいて……、いゃ完全に君自身が……。」

『はぁ？何ですか、ドッペルゲンガーでも出たんですか。』

春草「ど、どっぺる……?」


そうか、明治の人は知らないのか……。


「貴方！今、ドッペルゲンガーと言いましたか?!」

『誰。』


何か見た感じ、悪そうな人……、いゃ、隣に目付きの悪い人が立ってるぞ。


「これは、すみません。私、小泉八雲と言います!」

『はぁ……。』

八雲「貴方は、もののけが見えるんですか?!」

『え……、見えますけど……。』

「何?!」


私が見えると、言うと隣の怖い人が割り込んできた。


「娘、魂依だと言うのに、朧ノ刻に外出だと。

八雲「藤田サーン！今は、私が質問してるんデス!割り込まないで下さい!」

春草「それより、君。鴎外さん達が心配してるんだけど……。」

『……。そうですか、では伝えて下さい。もう一時間で帰ると。』


せっかく、誰にも縛られないんだから、自由にしたい。
三人を無視して、何処かへ行こうとすると、私の腕が掴まれた。


春草「余計に、鴎外さん達が心配する!帰るよ!」

『えっ、ちょっと!!』

春草「君に拒否権は、無い。」


彼に、腕を掴まれながら、無理矢理連れていかれた。

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