心の奥で。～Sato Shori～ (ページ36)

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それから映画のお仕事もすんなりと進み、

季節はいつの間にか冬に変わっていた。

最近、勝利と時間が合わず連絡さえも取れてない。

勝利も舞台があるから忙しいらしいし、
年末はライブもあるから一緒に年越しすることもできない。

そんな私に大きな仕事が舞い込んだ。

「紅白？！私が？！」

「そうよ。前の朝ドラと大河が当たったのね。すごいわ！！」

嬉しくて嬉しくて、私はすぐにお母さんに電話した。

お母さんは泣いて喜んだ。

勝利にもはやく知らせたい。

私は家に着いてすぐ勝利に電話した。

運良く繋がる電話。

「もしもし？」

「勝利？！私ね、紅白の司会決まった！！」

「そうなんだ。おめでとう」

勝利がなんだか素っ気ない気がした。

疲れてるのかな？

「うん！勝利も出るんでしょう？」

「うん。」

「…勝利？」

「ごめん、疲れてるから。じゃね」

一方的に切られる電話。

こんなこと初めて…

私なにかしたのかな。

いやでも、、深く考えるのはやめとこう。

このときの私はなんにも気づいてなかった。