心の奥で。～Sato Shori～ (ページ30)

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お昼すぎ、もう帰るのかな～と思うと
まだ寄るところがあるらしい。

「俺の家、行こ」

「えっ？！！」

勝利はニヤっと笑い私を見た。

「大丈夫、家には言ってきてるから」

「いや私が大丈夫じゃない！！」

勝利の家は歩いてちょっとした所にあった。

「ただいまー」

「お、お邪魔します…」

最悪だ、めちゃくちゃ緊張するし何も持ってきてない。

「あら、いらっしゃい！みんなー！勝利帰ってきたよ」

リビング？から顔を覗かせた女の人は
私のお母さんと同じくらいの歳の人で

勝利によく似ていた。

「上がって上がって」

勝利のお姉さんが言った。

お姉さんも勝利に似て美人なんだ、

なんだこの美しい家系は。

私がいることによって濁ってしまいそう。

「お昼ご飯できてるから一緒に食べていきなさい」

「ありがとうございます」

私がリビングに入ると家族全員で舐めまわすように私を見た。

「これが実物の大庭Aちゃん…」

「もー、やめろよAびびってるじゃん」

勝利の注意も丸無視で私を見る。

お兄さんはやっぱ芸能人は違うわなどと言う。

「これからも仲良くしてあげてね」

お姉さんがにこっと笑った。

「はいっ！こちらこそです！」

「みんな、ご飯食べるよ」

お母さんの呼びかけにみんなが席についた。