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第81話【一京介】 ページ34

『一！お前は東條を連れてできるだけ遠くへ逃げろ！』


すぐになっちゃんをおぶる。


「しっかりつかまっておいてな....？」


思いっきりジャンプして、壁に飛びうつり、屋根の上へ。



探偵社の方向へ、全速力で走る。



「あと少し...！！我慢しててなっ...！！！」



探偵社の窓から、中へ飛び込む。



「あれ？にのまえちゃん？」


「小次郎のおっちゃん！！救急車！！！！」


「どうしたんだい！？...っ大変！」



「にのまえちゃんは止血！」


「はいよ！」



救急箱...じゃ間に合わん！


ワイの服をっ...！パーカー...


脱いだら..バレる。


...でも！なっちゃんが先や！


自分のパーカーを脱ぎ、破って傷の所にまく。


なっちゃんが自分で止血するためにまいたであろう服は、もう使い物にならなくなっていた。



「…っにのまえくん、その傷..」


「これのことは後や！」


その後、なっちゃんは救急車で運ばれていった。



「無事でいてくれたらええんやけど...」



ワイはそのまま他の人達の帰りを待った。



傷跡だらけの腕をそのままに。

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