こちらアイラ探偵事務所です。file2 (ページ16)

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第64話【鞠山小次郎】ページ16

いやーなんか久々に面白いお仕事が来たね。

こないだの飲み会はみんなすごいはっちゃけてたし笑
結局あのあとわたやちゃんの財布はあいらちゃんが居酒屋に来る途中に拾ってたらしくて一件落着ー。

「遊園地……ねぇー。」

俺ちゃん遊園地とかもう何年、いや何十年も行ってない気がするなー。
今回の潜入は若い子に任せるかな？

いやさ？だってさ！42のおっさんが遊園地行ってはしゃいでたら絶対変な目で見られるよ！？
家族連れならまだしもちっちゃい子と一緒にいて不審者扱いされたら俺ちゃんのハートが粉々に粉砕するよ。意外と繊細なんだよ？おっさんのハートは。

とかなんとか考えていると

「小次郎さん全部口に出ちゃってますよ？」
「あ、さとーちゃん！やっほー。え？全部出てた？」
「はい、ばっちりと。」

まじかー。まぁ遊園地って俺ちゃんにとっていい思い出ないしなー。集中力とか切れてたのかなー？

「今度の依頼は遊園地からなんですね。いいなぁ遊園地。」

あ、そうだ。

「ねぇねぇさとーちゃん。さとーちゃんさ、行ってきたら？遊園地。とめちゃんと一緒に行けるかもよ？」

「………小次郎さん！？何言ってるんですか！？私が！？ゆずくんと！？遊園地！？」

「うん。何人か他の人も連れて行ってさ、途中でこっそり二人だけで見回りしてみたら？」

「えぇー……で、でもゆずくんが遊園地行きたいとは分かりませんし無理やり誘うのもなんというか」

「じゃあ俺がとめちゃんに代わりに行ってきてーって頼もうか？そしたら来るんじゃないかな？」

「いや確かに…。えーでも私は鯆だしゆずくんは虎だし…。」

前々からねさとーちゃんと飲んでる時にとめちゃんについてはすごい聞かされてるんだー。だから年上の人生の先輩としてはさ？後輩には幸せになってほしいんだよね。俺ちゃんは少し失敗しちゃったから余計にね。人生何事もやらずに後悔するほうが後々辛いんだよ。俺はそれを身をもって知ってるからね。

「とりあえずいろんな人に声かけて何人かで遊園地に調査しに行ってみたら？その時にとめちゃんにも声かけてみるよ。」

「………では、お言葉に甘えて、お願いします。」

「はーい。お願いされましたー。じゃあちょっと声かけに行ってくるねー。」