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しばらくして呼吸が長くなってきたなと思うと、まだすごろくが終わっていないのに雅紀はすーすーと眠ってしまった。
「幸せそうな顔してるね、雅紀くん」
眠る雅紀の頬を触りながら、パパ先生が言った。
「こんなことになることは想像もしてないけど、雅紀くん、小さくてよかったね。おっきかったら抱っこは難しいもんね」
「そうですね」
「雅紀くんは生まれた時から低身長、低体重で発育が本当にゆっくりでね。和くんや潤くんにすぐに抜かれちゃってね。だから僕は雅紀くんのお母さんに成長ホルモンの注射を受けることを勧めたんだけど、お母さんがやらないって決めたんだ」
「そうだったんだ！」
全員が驚いた声を上げた。
「昔は今よりも治療費が高額だったってこともあって金銭的に難しかったのもあるかもしれないんだけど、お母さんが、抱っこした時の雅紀の笑顔が可愛いからできるだけ長く抱っこしたいんですって言ったんだ」
「完全に私のわがままです、すみませんってお母さんは僕に頭を下げたけど、雅紀くんにはお父さんがいなかったからね…。抱っこをしたいっていうのもあるんだろうけど、体調が急変しやすかった雅紀くんを抱えて病院に駆け込むには、抱っこできなくちゃってお母さん思ったんじゃないかな」
「小学校を卒業するくらいまでは体調悪かったり治療が辛いとお母さんに抱っこせがんでたもんね。今もみんなに抱っこしてもらえてよかったね、雅紀くん」
遠い日の母親の決断が、今もなお雅紀を優しく包み込んでいた。
−おばさん、ありがとう。これからも雅紀と頑張るから見守っていてね
眠る雅紀の頭を撫でながら、智は雅紀の母親に願った。
翌朝。
朝一でクリニックに戻る予定のため、智はいつもより少し早く雅紀を起こした。
「まーちゃん、おはよう」
昨日は体調も回復傾向にあったし、すぐに笑顔を見せてくれると思っていた。
しかし、起きるのにとても時間がかかった上に目が覚めてもボーッとした顔。
「まーちゃん、朝だよ。まーあーちゃん」
智が顔を拭いてもいつものような反応が見られず、手を握ると微かに握り返してくれたがすぐに目が虚になって半開きになってしまった。
昨晩までの熱は下がり、Spo2値も正常。
でもどう見ても眠たい時とは違う。
おかしい、何かがおかしい…
櫻井達を呼びに行こうとしていると、松本が部屋に来た。
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蛍(プロフ) - 初めまして。こちらに出会って数日かけてじっくり読ませていただきました。一緒になって、頑張れ！って応援したりハラハラしたり、笑顔になったり。最近は更新されていないようですがまた時間のある時に続きが読めたらうれしいです。ありがとうございました。 (2022年1月18日 16時) (
レス) @page8 id: 1a848003a8 (このIDを非表示/違反報告)
あのひ(プロフ) - 雅紀くんも、にのも、小さなことでもできた！役に立てた！って感じながら過ごせそうですね。この仲間たちと一緒にいれば…。一方的ではなく、お互い支え合っているあたたかい関係が大好きです。ボードの方にメッセージ送っていますので読んでくださいね！ (2021年10月25日 20時) (レス) @page8 id: 2bf0d880c6 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：いずみ | 作成日時：2021年10月10日 23時
