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「泣くってことは治療を認識してるってことだよ、智くん。それに泣いても受け止めてくれるって安心してるんだよ。治療が終わったらたくさん抱きしめてやって。智くんは雅紀にとって安心できる存在であってほしいからさ」と。
「まーちゃん、もう終わったからね。もう気持ち悪くないよ」
最近は処置を終えても泣き止まないことが多く、そのせいでSpo2値が下がり辛くなってしまうこともあった。
でも今日は智がそう言うと、しゃくり上げながらも頷き1,2分で落ち着いた。
「切り替えできてすごいね！まーちゃん！！すごいなー！かっこいいなー！」
嬉しくて握る雅紀の手を動かすと、笑顔まで見られた。
「脳の浮腫が取れて、思考がはっきりしたんだね。よかったね、まー。頑張ったな」
松本にも褒められて、雅紀は嬉しそうに左手を動かした。
「まーちゃん、椅子に座ってご飯食べよっか。できるかなー？」
リクライニング車椅子に雅紀を座らせ、ベルトで固定する。
ここ最近は座ることを嫌がってベッドで注入のことが多かったけれど、今日は座っても嫌がらなかった。
おかゆの入ったボトルをホルダーに引っ掛ける。
「もぐもぐもぐ、まーちゃん。もぐもぐ…」
智の声に合わせて、雅紀は懸命に口を動かした。
飲み込むことができないから唾液がこぼれてしまうけれど、智が口元に雅紀のお気に入りのタオルをあてがいながら続けた。
「うん、休憩しよう、まーちゃん。上手にできてすごいな〜」
リハビリも兼ねた食事の時間は、ややもすれば苦痛な時間になりかねないけれど、雅紀はとっても楽しそうに過ごしていた。
雅紀の部屋で朝食を取っていた櫻井が智と場所を変わった。
『ぁお…』
「うん？智くん？」
『も……もぅ？』
口の動きを見た櫻井は、目を細めた。
「え？なんて？」
「ん？智くん、もぐもぐしてる？ってさ。優しいねー、可愛いねー、雅紀！」
「んふふっ。まーちゃん、俺食パン食べてるよ！もぐもぐしてるよ！」
智の返事に雅紀は満足気に頷いた。
注入が終わり白湯で胃瘻チューブを流した後、櫻井は雅紀を抱き上げて背を上げたベッドに寝かせた。
『あーこー…』
「ゲップしてからなー」
背中に手を入れて、ゲップを促す。
『ゲフッ……グフッ……』
未熟児で生まれた影響で消化器が全体的に人より弱い雅紀は、体調により逆流を防ぐ胃噴門部の括約筋の収縮も緩慢になりがちで。
吐き戻さないか心配だったけれど、今朝は少量にしたせいか大丈夫だった。
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いずみ(プロフ) - りささん» コメントありがとうございます。リクエストもありがとうございます。お話の流れの中で取り入れていこうと思います。もうしばらくお待ちください！ (2021年2月6日 18時) (
レス) id: 3797474e34 (このIDを非表示/違反報告)
りさ - 初コメです！ニノが智くんにすごく甘えるシーンをもっと見てみたいです！まーくんが何かあった時は甘えないとか！突然のリクエストごめんなさい (2021年2月3日 3時) (レス) id: da570d1084 (このIDを非表示/違反報告)
いずみ(プロフ) - あのひさん» 新しい仲間がまた出てきちゃいました！今後、また横山さんも出てくるかもしれないです。またよろしくお願いします！ (2021年1月29日 7時) (レス) id: 3797474e34 (このIDを非表示/違反報告)
あのひ(プロフ) - まーくんのおかげで、また新しい仲間が増えましたね！横山くんも元気かな〜？ (2021年1月25日 22時) (レス) id: 2bf0d880c6 (このIDを非表示/違反報告)
いずみ(プロフ) - りんさん» 初コメありがとうございます！そんな風に言って頂けてとても嬉しいです。先程更新させて頂きましたので、そちらもよろしくお願い致します。 (2021年1月21日 23時) (レス) id: 3797474e34 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：いずみ | 作成日時：2020年11月28日 0時
