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だが座薬が挿入されると、雅紀はまた目を開けた。
『ふぇ…』
今にも泣き出しそう。
「大丈夫大丈夫。ほら、さと抱っこしてるよー」
感じる違和感でいっぱいになっているぼんやりとした意識を抱っこの方に向けることで雅紀を安心させてやりたかった。
「まーちゃん」
髪を撫でて言うと、雅紀は『ぁ……』と口を動かした。
「んー？なあに？まーちゃん」
優しい声に雅紀は左手を動かした。
その手を智が握ると雅紀の目がまた虚になった。
「おっけ」
松本も座薬を入れ終え指を抜き、オムツを付け直した。
「ありがと〜、大野さん。スムーズに入った」
「ありがとう、松潤」
「吸引もしちゃおっかな」
呼吸器を外し、松本がカテーテルを挿入した。
『っふ……エフエフッ……ッ…』
咳き込む雅紀の背中を智は優しく摩った。
『んー……ふぇ…エフエフッ………ッフ…エフッ……ふぇ…』
動く左手に智がそっと手を重ねた。
「まーちゃん、もう終わるよー。苦しいねー」
足が突っ張らせて耐える雅紀の身体を摩った。
「はい、終わり〜」
唾液で汚れた口を智が拭こうとすると、二宮がタオル片手に雅紀の口を拭いてくれた。
「まーくん、頑張っててすごいね」
その二宮の表情がとっても優しくて…
きっと病気に立ち向かう2人にしか分からない気持ちがあるんだろうなと智も松本も思った。
それと同時に思い出した、『さみしい』の言葉。
「ニノも頑張っててえらいね。雅紀のこともケアしてくれてありがとう」
智の言葉に照れたように笑って、二宮は松本を見上げた。
智の言葉と二宮の表情に松本は何かあったと感じた。
今日は予約患者の診療は終わった。
松本は今日はもう上がろうと決めた。
「ニノ、静かに聞いてね」
松本は唇に人差し指を当てて言った。
最近、二宮はテンションが上がると声の大きさを調節することができないことがあった。
「大野さんの言う通り、ニノも頑張ってるね。ケアもタイミング完璧だった。さすが、ニノ」
「今日はもう上がるから夕飯の買い物行こっか！新しいゲームも買って一緒に遊ぼう」
二宮は声を出す代わりに、松本に抱きついて大喜び。
「今はまーが頑張ってるからちょっと待っててな」
その言葉に二宮はコクンと頷き、松本から離れた。
「乾燥しちゃって痛いな、まー。もう少しだから頑張ろうな…」
割れた唇の横に薬を塗り、乾燥で割れかけている肘や膝の裏にも薬をたっぷり塗り包帯をつけたが、ぶかぶかで外れてしまった。
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いずみ(プロフ) - りささん» コメントありがとうございます。リクエストもありがとうございます。お話の流れの中で取り入れていこうと思います。もうしばらくお待ちください！ (2021年2月6日 18時) (
レス) id: 3797474e34 (このIDを非表示/違反報告)
りさ - 初コメです！ニノが智くんにすごく甘えるシーンをもっと見てみたいです！まーくんが何かあった時は甘えないとか！突然のリクエストごめんなさい (2021年2月3日 3時) (レス) id: da570d1084 (このIDを非表示/違反報告)
いずみ(プロフ) - あのひさん» 新しい仲間がまた出てきちゃいました！今後、また横山さんも出てくるかもしれないです。またよろしくお願いします！ (2021年1月29日 7時) (レス) id: 3797474e34 (このIDを非表示/違反報告)
あのひ(プロフ) - まーくんのおかげで、また新しい仲間が増えましたね！横山くんも元気かな〜？ (2021年1月25日 22時) (レス) id: 2bf0d880c6 (このIDを非表示/違反報告)
いずみ(プロフ) - りんさん» 初コメありがとうございます！そんな風に言って頂けてとても嬉しいです。先程更新させて頂きましたので、そちらもよろしくお願い致します。 (2021年1月21日 23時) (レス) id: 3797474e34 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：いずみ | 作成日時：2020年11月28日 0時
