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「あと3分だから、頑張ろうな」
頭を撫でてそう声をかければ、雅紀はコクンと頷いた。
再度アシストのスイッチを入れる。
『ぉぁ…え……あーぅ…』
僅かな口の動きを櫻井は凝視した。
『ぁ……お…』
雅紀は智に日頃の感謝の気持ちを込めて、自分のお金でプレゼントを買いたいようだ。
「分かった。財布確認するね」
雅紀の財布を取り出す。
財布の中には3000円ほどの現金しか入っていなかった。
この金額で買えるプレゼントは限られている…
でも雅紀の顔を見たら、その事を正直には言えなかった。
雅紀の目が見えない事を利用して、櫻井は嘘をついた。
「プレゼント買えるくらいあるよ。お金持ちじゃん！雅紀！」
耳元で言うと、雅紀は少し笑って左手を動かした。
アシストが終わり再度吸引を終えると、雅紀は目を閉じてぐったり。
雅紀を抱き起こし、二宮がしていた呼吸マッサージをする。
『うぇ……んぉ……』
「プレゼントはまたゆっくり考えような。雅紀が渡したい物、俺がちゃんと買ってくるから安心しな」
唇がひび割れている。
水抜きの影響が出始めていた。
リップクリームを取り出し、唇に塗った。
「まーちゃん、ただいま！」
智の声に、雅紀の表情が一気に明るくなった。
「何の本読むか決めた？」
やばっ。智のプレゼントのことですっかり忘れていた。
慌てる櫻井をよそに雅紀は左手を智に伸ばした。
「うん？決めたの？まーちゃん」
『ぁぅ……ぇた！』
にこにこ笑って忘れた！って正直に言う雅紀に、智も櫻井も笑ってしまった。
「忘れちゃったねー、まちゃきー」
櫻井は雅紀をギュッと抱きしめた。
本棚から絵本を取り出し、読み聞かせタイム。
だが読み始めて5分ほどで、目がトロンとしだした。
「発作で疲れちゃったかな…雅紀？」
頬をちょんちょんと櫻井が触る。
「いつもだから大丈夫だよ。読み聞かせすると雅紀、すぐ寝ちゃうから」
「雅紀に本は睡眠導入剤だなあ」
「んふふっ。夜ちょっと読んで、朝起きてからまた読むんだよね、まーちゃん」
櫻井の腕の中で、小さく口を開けて寝てしまった雅紀の左足がピクン！と動いた。
「ふはははっ。よく寝てるわ」
櫻井は雅紀をそっとベッドに寝かせた。
翌日と翌々日も、水抜きの為の厳しい水分制限が行われた。
今日が水抜きの最終日。
「まーちゃん、おむつ替えるね」
おむつを替えようと繋いだ手を離すと、雅紀がぽろぽろと泣き出した。
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いずみ(プロフ) - りささん» コメントありがとうございます。リクエストもありがとうございます。お話の流れの中で取り入れていこうと思います。もうしばらくお待ちください！ (2021年2月6日 18時) (
レス) id: 3797474e34 (このIDを非表示/違反報告)
りさ - 初コメです！ニノが智くんにすごく甘えるシーンをもっと見てみたいです！まーくんが何かあった時は甘えないとか！突然のリクエストごめんなさい (2021年2月3日 3時) (レス) id: da570d1084 (このIDを非表示/違反報告)
いずみ(プロフ) - あのひさん» 新しい仲間がまた出てきちゃいました！今後、また横山さんも出てくるかもしれないです。またよろしくお願いします！ (2021年1月29日 7時) (レス) id: 3797474e34 (このIDを非表示/違反報告)
あのひ(プロフ) - まーくんのおかげで、また新しい仲間が増えましたね！横山くんも元気かな〜？ (2021年1月25日 22時) (レス) id: 2bf0d880c6 (このIDを非表示/違反報告)
いずみ(プロフ) - りんさん» 初コメありがとうございます！そんな風に言って頂けてとても嬉しいです。先程更新させて頂きましたので、そちらもよろしくお願い致します。 (2021年1月21日 23時) (レス) id: 3797474e34 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：いずみ | 作成日時：2020年11月28日 0時
