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でも、櫻井が落ち込んでいるのは雅紀にも分かったようで。
『ぉ……ちゃ……あー……うぃ！』
ー翔ちゃん大好き！
雅紀の純粋で素直な言葉。
櫻井に元気になってほしい雅紀の気持ちが込められたその言葉に包まれた櫻井は、より一層目尻を下げて雅紀を抱きしめた。
雅紀への愛情が溢れていて…
「ふふっ。雅紀のこと、翔くんに取られちゃいそう」
智が冗談まじりに言うと櫻井はとんでもない！と首を横に振った。
「そんなことしたら、俺、マジで雅紀に嫌われちゃうよー！」
櫻井の返しに、3人とも大笑いだった。
再度、おかゆの温度を調整してボトルに入れる。
骨張った雅紀の身体を、櫻井は摩って言った。
「雅紀、今度の日曜日お家で何しよっか？」
二宮もスマホを取り出し、カレンダーを見て数回頷いた。
あれから2回日曜日に家に帰り、ようやく雅紀は日曜日に家に帰ることが分かるようになってきた。
『んー…』
目を動かし、何をしたいか一生懸命考える雅紀。
『おー……ぅー………』
おーうー？
てんかん後のせいか口がよく動かず、4人とも雅紀が何を言ったのか分からなかった。
「まーちゃん、もう一回教えて？」
『おーー……ぅー！』
雅紀が精一杯口を動かしているのが分かる。
みんなで雅紀の口の動きを見て、推理大会が始まった。
「あれは、『お』だよなー」
「うん。それに、『う』じゃなくて『ふ』じゃない？」
「おーふー…お風呂かな？」
「お風呂だと、うおになるよね」
「そっかあ……ごめん、まーちゃん、もう一回教えて？」
智が雅紀の手を握って聞くと、雅紀は嫌な顔一つせずまた同じように口を動かした。
「あ！分かった！お洋服だね？まーちゃん」
智の言葉に、雅紀は左手を大きく動かした。
「まーちゃん、お洋服欲しいの？」
雅紀はゆっくりと首を横に振った。
『ぃあ……い…』
ー着たい
洋服が着たい…
雅紀の小さな小さなやりたいこと…
櫻井はたまらなくなって雅紀を胸に抱き寄せた。
目が見えない今では、洋服を着た自分の姿さえ見ることができないはず…
雅紀は定期受診の日でさえも、体調が良い日はおしゃれをして来る人だ…
そんな雅紀が半年ほどパジャマしか着られていない…
大好きな洋服さえ着ることができなくなり、毎日ベッドの上で横になり治療の日々…
洋服を着る…そんな些細なこともずっと我慢して頑張ってきて、手術も成功して、ようやく光を掴みかけたのに、髄膜炎からの脳出血だった。
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いずみ(プロフ) - りささん» コメントありがとうございます。リクエストもありがとうございます。お話の流れの中で取り入れていこうと思います。もうしばらくお待ちください！ (2021年2月6日 18時) (
レス) id: 3797474e34 (このIDを非表示/違反報告)
りさ - 初コメです！ニノが智くんにすごく甘えるシーンをもっと見てみたいです！まーくんが何かあった時は甘えないとか！突然のリクエストごめんなさい (2021年2月3日 3時) (レス) id: da570d1084 (このIDを非表示/違反報告)
いずみ(プロフ) - あのひさん» 新しい仲間がまた出てきちゃいました！今後、また横山さんも出てくるかもしれないです。またよろしくお願いします！ (2021年1月29日 7時) (レス) id: 3797474e34 (このIDを非表示/違反報告)
あのひ(プロフ) - まーくんのおかげで、また新しい仲間が増えましたね！横山くんも元気かな〜？ (2021年1月25日 22時) (レス) id: 2bf0d880c6 (このIDを非表示/違反報告)
いずみ(プロフ) - りんさん» 初コメありがとうございます！そんな風に言って頂けてとても嬉しいです。先程更新させて頂きましたので、そちらもよろしくお願い致します。 (2021年1月21日 23時) (レス) id: 3797474e34 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：いずみ | 作成日時：2020年11月28日 0時
