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「まーちゃん？分かる？」
雅紀がぼんやりと目をあけた。
『…あ……ぉ』
雅紀は小さく口を動かし、智の問いに返事を返した。
「うん。分かってるね、まーちゃん」
雅紀が目を覚ましてくれたことに、ひとまずほっとした。
智が頭を撫でると、何か言いたげに雅紀は瞳を動かした。
「ん？なーに？」
すると左手を口元に持っていき、そのまま口に手を入れ始めた。
「ダメダメ、まーちゃん。なーに？どうしたの？」
お腹が空いたのかもしれないと智は直感で思ったが、こうして言葉ではなくジェスチャーで示したものを汲みとってしまうことは雅紀の脳の回復を妨げると思った。
だから敢えて、言葉で伝えてくれるのを智は待った。
『ふぇ……んあー……』
また左手が口に伸びる。
「口に手入れないよ。なーに？まーちゃん。さとに教えて？」
『うぇ……ふぇ…』
発作後で頭が回らず、うまく言葉が出ないこと、智は分かっている。
それでもここで頑張ることが雅紀の回復に繋がるはずと強い心で接していた。
「まー。落ち着こうなー」
ぐずる雅紀の口角を触り、松本は口が動きやすくなるようにマッサージをした。
『ぁ……お……』
「うん？なーに？」
『おぁ……か…ヒグッ…う……た……』
お腹すいた…
雅紀はしっかりと言葉にして伝えてきた。
『ご飯』と単語じゃなかったことが嬉しくて嬉しくて…
「お腹空いたね。ご飯できてるから食べようね」
昼と同じ具なしのお粥だけど、夜は野菜の煮汁で煮てみた。
「雅紀、どしたの〜？」
クリニックの片付けを終えて部屋を覗いた櫻井は、雅紀がポロポロ泣いているのを見て一目散に雅紀に駆け寄った。
松本から事情を聞くと、櫻井は智を見て深く頷いた後、眉を下げて雅紀を抱きしめた。
「頑張ったねぇ、雅紀。頑張った、頑張った」
『ふぇ……ヒグッ…ぁこ……』
「抱っこしようなー」
雅紀の涙をタオルで拭い、櫻井が雅紀を抱っこした。
すると、雅紀は精一杯左手足を伸ばして大泣き。
『いやーーー！！やーー！！！！』
「どしたの、雅紀。翔ちゃんだよ。もう今日は、お医者さん終わったよ」
『やらーーー！！！！あとーー！！』
櫻井の心が砕け散った音が聞こえた気がして、慌てて松本が駆け寄った。
「翔さん、まーはさっきのことがあったから大野さんに抱っこして欲しいだけだよ」
智も慌ててお椀をお盆に乗せてベッドサイドまで来た。
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いずみ(プロフ) - りささん» コメントありがとうございます。リクエストもありがとうございます。お話の流れの中で取り入れていこうと思います。もうしばらくお待ちください！ (2021年2月6日 18時) (
レス) id: 3797474e34 (このIDを非表示/違反報告)
りさ - 初コメです！ニノが智くんにすごく甘えるシーンをもっと見てみたいです！まーくんが何かあった時は甘えないとか！突然のリクエストごめんなさい (2021年2月3日 3時) (レス) id: da570d1084 (このIDを非表示/違反報告)
いずみ(プロフ) - あのひさん» 新しい仲間がまた出てきちゃいました！今後、また横山さんも出てくるかもしれないです。またよろしくお願いします！ (2021年1月29日 7時) (レス) id: 3797474e34 (このIDを非表示/違反報告)
あのひ(プロフ) - まーくんのおかげで、また新しい仲間が増えましたね！横山くんも元気かな〜？ (2021年1月25日 22時) (レス) id: 2bf0d880c6 (このIDを非表示/違反報告)
いずみ(プロフ) - りんさん» 初コメありがとうございます！そんな風に言って頂けてとても嬉しいです。先程更新させて頂きましたので、そちらもよろしくお願い致します。 (2021年1月21日 23時) (レス) id: 3797474e34 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：いずみ | 作成日時：2020年11月28日 0時
