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でも雅紀は一言も愚痴を漏らさなかった。
うまく話せないこともあるだろうが、一度足りとも治療した医師を責める言葉を口にせず、日々激痛に立ち向かった。
その雅紀の強さがなかったら、前向きに狭窄の治療に取り組むことはできなかっただろう。
「頑張ってくれて…ありがとう………」
雅紀の笑顔に、智は涙が止まらなかった。
髪を撫で、そっと抱きしめた。
今日から水抜き…。
また辛いかもしれないけれど3日と聞いてる。
てんかんが減れば、雅紀の苦しみをまた１つ減らせる。
「まーちゃん、ご褒美のジュースだよ。りんごジュース」
まだ雅紀が飲めないことは分かっていたけれど、どうしても雅紀にジュースをプレゼントしたかった。
ジュースを浸したガーゼを指に巻き、雅紀の口に運ぶ。
雅紀の舌が動くのが分かる。
「美味しい？まーちゃん」
にっこり笑って雅紀は頷いた。
それに小さく喉も動いていた。
「雅紀、喉動かしてる！！」
智はびっくりして、櫻井と松本に言った。
松本は雅紀の喉に指を当てた。
再度ジュースを浸して口に運ぶと、雅紀は舌を動かした。
「雅紀〜、上手にベロ動かせてるね〜。上手、上手！」
だが、松本は小さく首を横に振った。
飲み込めてはいなかった。
それでも雅紀が飲み込もうとする意思を表せたのは初めてだった。
「まーちゃん！すごいねー！！すごいすごい！！！」
智は満面の笑顔で雅紀の頭を思いっきり撫でた。
少しずつ現れ始めた回復が嬉しくてたまらなかった。
利尿剤の点滴を付ける前に、布おむつに付け替え、下に防水シートを敷いた。
「まーちゃん、今日は布のおむつだからおしっこしたら教えてね」
『いー！』
「いーって教えてくれるの、まーちゃん。そうなの」
にこにこ笑う雅紀が愛おしくてたまらなかった。
吸引を終えて、利尿剤の点滴が繋がれる。
首のカテーテルには栄養剤の他にも点滴を繋いでいて、これ以上繋げない為、右腕に刺すことになった。
「雅紀、最近てんかんが多くてしんどいな。てんかんが多いのは水で脳が浮腫んでるからなんだ。薬で溜まった水を出しちゃおうな」
雅紀が理解できるように、櫻井はゆっくり丁寧に説明した。
『いぁ…い？』
「最初のちっくんだけ痛いかな。あとは何にも痛くないよ」
不安げな表情だったが、雅紀はコクンと頷いた。
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いずみ(プロフ) - りささん» コメントありがとうございます。リクエストもありがとうございます。お話の流れの中で取り入れていこうと思います。もうしばらくお待ちください！ (2021年2月6日 18時) (
レス) id: 3797474e34 (このIDを非表示/違反報告)
りさ - 初コメです！ニノが智くんにすごく甘えるシーンをもっと見てみたいです！まーくんが何かあった時は甘えないとか！突然のリクエストごめんなさい (2021年2月3日 3時) (レス) id: da570d1084 (このIDを非表示/違反報告)
いずみ(プロフ) - あのひさん» 新しい仲間がまた出てきちゃいました！今後、また横山さんも出てくるかもしれないです。またよろしくお願いします！ (2021年1月29日 7時) (レス) id: 3797474e34 (このIDを非表示/違反報告)
あのひ(プロフ) - まーくんのおかげで、また新しい仲間が増えましたね！横山くんも元気かな〜？ (2021年1月25日 22時) (レス) id: 2bf0d880c6 (このIDを非表示/違反報告)
いずみ(プロフ) - りんさん» 初コメありがとうございます！そんな風に言って頂けてとても嬉しいです。先程更新させて頂きましたので、そちらもよろしくお願い致します。 (2021年1月21日 23時) (レス) id: 3797474e34 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：いずみ | 作成日時：2020年11月28日 0時
