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「だけど、カフェの売上から生活費を引いた分の取り分は智くんと雅紀で2：1だろ？」
智は折半するつもりだったが、雅紀が自分は智ほど働けないから智の半分で十分と言って譲らなかった。
「それで診察代は雅紀のお金から出してる」
「そうなの？」
「そうだよ。智くんは雅紀の取り分が少ないから家計から出そうって雅紀に話したけれど、雅紀が自立したいから自分で出したいって」
「俺はさ、カフェの売上がどのくらいなのか詳しいことまでは知らないけど、雅紀が自由に使える数万円でクリニックに通ってることは確かだ」
「身体が弱いんだから健康な人ほど働けないのもしょうがないし、働けない分お金をもらえないことも働いて得たそのお金で病院に通って薬を貰うことも当然なのかもしれない。俺は診療をしたんだから、雅紀から診療報酬を得る権利はあるよ。でもさ、病院に通わなくてよければ、雅紀はそのお金で好きな洋服買ったりできるわけじゃん。だからさ…なんかね…うん…うまく説明できないけどさ…」
「俺は、辛いことがあってもこれが終わったらパーっと行こうってできる。でも、雅紀は治療で辛いことがあっても、そういうわけにいかない。それどころか突発的に体調を崩して余計にかかる病院代の為に何かを諦めないといけない時だってあるかもしれない」
「だからって、診察代はいらないよって言えないだろ？自立したいと思って自分で払ってるのに、雅紀の気持ちを踏みにじってしまう。だから俺は、誕生日とかに関係なく雅紀にプレゼントをするようにしてるの」
「未熟児で虚弱体質で、持病がある身体で必死に頑張って高校卒業して。周りと同じような就職はできず、カフェ以外では働くのが難しい中で、雅紀なりに一生懸命働いて。それなのに、稼いだお金の数割が病院代と薬代で消えてしまうんだよ。俺はやるせないよ」
「雅紀には、明るく希望を持って過ごして欲しいんだ。その手助けになれば嬉しいし、俺のやるせなさを解消する意味もある。だから、俺が渡したくて渡してる。そういうことだ」
櫻井の目が心なしか潤んでいた。
「雅紀の虚弱体質を改善できる薬なんてなくて、無理をしないことしかない。だけど、それで雅紀らしさが消えるのだけは、絶対に嫌なんだ。俺は器用じゃないからこんなやり方しか思いつかなくてさ…」
松本は何も言えなかった。プレゼントにそんなに深い意味があったなんて全く知らなかったし、自分はなんて浅い考えしかできないんだろうと反省した。
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いずみ(プロフ) - ひろさん» いつもお読み頂きありがとうございます！これからもよろしくお願いします！ (2020年9月10日 23時) (
レス) id: 3797474e34 (このIDを非表示/違反報告)
ひろ(プロフ) - 毎日 更新楽しみにしてます。まぁくん元気になって良かった。続きが楽しみです。 (2020年9月10日 6時) (レス) id: c60b3962ed (このIDを非表示/違反報告)
いずみ(プロフ) - ひろさん» はじめまして！嬉しいコメントありがとうございます！これからもどうぞよろしくお願いいたします。 (2020年9月5日 23時) (レス) id: 3797474e34 (このIDを非表示/違反報告)
ひろ(プロフ) - 初めまして。この作品大好きです。更新されるのを 楽しみに待ってました。素敵な作品ありがとうございます。これからも 読ませていただきます。 (2020年9月5日 19時) (レス) id: c60b3962ed (このIDを非表示/違反報告)
Lima(プロフ) - いずみさん» え！本当に嬉しいです(;_;)どう言葉表現したらいいか...ぜひこれからも楽しんで頂けたら幸いです！！ (2020年9月5日 12時) (レス) id: 8c2f3cec2f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：いずみ | 作成日時：2020年6月19日 0時
