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その日の夜、そして、二宮の仕事が確実に終わっているはずの夜中にも松本は二宮のスマホに電話を掛けた。
だが、流れるのはいつも同じあの自動音声…
もしかして、ニノは番号を変えたのか…？
そこまでの強い気持ちで留学に行くのか…？
俺たちと連絡できない環境に身を置いてまで頑張ろうとしているのか…？
でも思い出すのはこの前の電話の二宮の声。
『いつだろうね』
何かあったのか？
松本はいてもたっても居られなくなり、二宮の自宅に手紙を送った。
櫻井も、時間を見つけては必死に調べていた。
「先生、すみません、櫻井です」
雅紀の病気の治療法についての情報をなんでもいいから知りたくて、知り合いの医師に片っ端から電話を掛けた。
「んー、治療法か…。○○先生を尋ねてみたら？彼は循環器系だし。でもさ、櫻井、この病気は極めて予後不良だよ。君も分かっているだろう？患者の生活を考えて、緩和ケアを考えるべきだと思うよ」
「……そうかもしれないな…ありがとな…」
こんな風に積極的な治療法ではなく緩和ケアを薦められることが多かった。
治療法のないこの病気の患者に対するものとしては、現在の医学のガイドラインでは苦痛の緩和が治療の主流であることから考えれば、こうしたアドバイスが妥当であることを櫻井は頭では理解していた。
でも、きっとどこかに…
どこかに雅紀が助かる可能性があるかもしれない…
そう思ったら、何度緩和ケアを薦められても、治療法を探さないわけにはいかなかった。
そして、櫻井もまた二宮に電話を掛けていた。
でも、流れてくるのは松本が聞いたのと同じあの音声だった。
「潤、ニノに電話繋がった？」
休憩中に櫻井が松本に聞く。
「いや、繋がらない」
「俺も…。はあ…。ニノはもう…俺らのことなんかさ…」
八方塞がりのような状態の中、櫻井は二宮に電話がつながらないことで、二宮から見捨てられたように感じていた。
「翔さん。それ以上言わないで。ニノに八つ当たりしないで」
「…っ…ごめん…」
「俺も、翔さんの気持ち分からなくもないよ。でも、ニノはそんな奴じゃないことぐらい、翔さんだって分かるでしょ？」
「……ごめん…」
櫻井は自分の浅はかな考えを恥じた。
「俺…ニノがあんまり電話に出ないからさ…手紙送ったんだ。そしたら……返ってきた」
「……え？」
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いずみ(プロフ) - るんるんさん» 初コメントめちゃくちゃ嬉しいです。ありがとうございます！楽しみにして頂けて幸せです。これからもよろしくお願いします。 (2020年4月13日 16時) (
レス) id: 3797474e34 (このIDを非表示/違反報告)
るんるん(プロフ) - この後どうなるんだろ…って毎日ドキドキしてます！これからも応援してます！ (2020年4月13日 11時) (レス) id: 5f4c3622e1 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：いずみ | 作成日時：2020年4月4日 1時
