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雅紀は、倒れた時に酷い目眩で受け身を取れずに自転車に覆い被さるように体を打ち付けていた。
骨折を免れただけでも、奇跡的だった。
家での移動が困難であると櫻井は判断し、雅紀をそのまま入院させた。
翌日も体の痛みは酷く、その上雅紀は発熱していた。
「んー…痛い…」
体中がジンジンと痛んだ。
「トイレ…行きたい…」
車椅子に座るのも痛くてできそうになかった為、松本が雅紀を抱き上げた。
「んー…ごめん…いたいっ」
抱き上げただけでも雅紀は顔を歪ませた。
松本にトイレに座らせてもらい、用を足した後、雅紀は肩を強打したせいで腕が回らず、お尻を拭くことができないことに気付いた。
「……っ……」
頭に浮かんだのは昨日言われた病気のこと。
きっと自分は動けなくなる…
そうなったら、こうやってトイレの介助も毎日受けなければならない…
今までも雅紀は余りにも体調が悪い時はオムツをしたこともあった。
でもそれはさすがにほんの数回で、智以外には交換してもらったことがなかった。
翔ちゃんや松潤なら、嫌な顔せずやってくれるだろう…
これは俺の心の問題だ…
排泄物と臀部を見られることへの羞恥心を排除できるかなのだ…
座薬をしてもらったことは何度もあるが、それとは心構えが全く違う…
『体と向き合ってきた雅紀は強いよ』
先日の櫻井の言葉。
でも、こんなこともできなくなるんだ…
そう思ったら、突然逃げたくなってしまって…
そんなことを考えてしまう自分が情けなくて、悔しくて、悲しくて、迷惑をかけるみんなに申し訳なくて…
それらの感情が一気に押し寄せ、涙がこみ上げてきて、嗚咽が漏れた。
その嗚咽は、櫻井と松本にも聞こえた。
「雅紀、智くん呼ぼうか？」
櫻井が声を掛ける。
智からは、なんでもいいから何かあった時は、すぐに連絡をするように櫻井は頼まれていた。
「………」
櫻井の提案を受けた雅紀は、『智を呼んで』とすぐに言いかけた。
でも…
今後は、ここに入院することも増えるだろう。
智がここにいない時は、トイレの度に智を呼ぶのか？
恥ずかしくてたまらないけれど、治療法が見つかるまでの我慢だ。
それにいつもじゃない。本当に体調が悪い時だけ…
治療法が見つかるまで…それまでの辛抱だ…
雅紀は必死に自分の体と向き合おうとしていた。
「翔ちゃん…松潤…来…て…」
意を決して雅紀は外の2人を呼んだ。
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いずみ(プロフ) - るんるんさん» 初コメントめちゃくちゃ嬉しいです。ありがとうございます！楽しみにして頂けて幸せです。これからもよろしくお願いします。 (2020年4月13日 16時) (
レス) id: 3797474e34 (このIDを非表示/違反報告)
るんるん(プロフ) - この後どうなるんだろ…って毎日ドキドキしてます！これからも応援してます！ (2020年4月13日 11時) (レス) id: 5f4c3622e1 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：いずみ | 作成日時：2020年4月4日 1時
