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「最悪の場合、1年程度かもしれない…」
櫻井から漏れた一言。
松本は考えたくもなかった。
今回、高血圧の症状が見られたのも、心臓が血液を戻そうとした為と考えられた。
櫻井はタオルを取り出すと、松本にももう1枚渡した。
「医者が泣いていいのはここまでだ。思いっきり泣いて、雅紀と智くんをサポートしないと。俺らが泣いてちゃ…いけない…けど…」
そう話すのに櫻井が泣くから、松本も涙が止まらない。
「どうして…雅紀なんだろうなあ…クッソ…悔しいなあ…」
「………」
松本はショックで呆然としてしまって、何も考えられなかった。
時刻は17:30。
「もう、智くん来ちゃうね。顔洗おう」
櫻井と松本は、冷水で思いっきり顔を洗って、氷でも冷やした。
「翔くん！松潤！」
カフェの営業を終えた智が、息を切らして駆け込んできた。
「まーちゃん！！なんで…！今日は元気そうだったじゃんか…」
腕には擦り傷、打ち付けた鼻と唇が腫れ上がった状態で酸素マスクをつけて眠る雅紀の姿に智は動揺していた。
「俺が…取りに行けばよかった…」
智は酷く後悔していた。
「智くん…ちょっといいかな…」
診察室で櫻井と松本が智と向き合う。
「これ、見てほしいんだ…」
心臓エコーの写真を渡す。
「ここに細い線があるの見える？」
「うん…え？これが何なの？」
智くんの目が、不安で満ちている。
「まだ検査していないから確定したわけじゃないんだけど、雅紀は…」
櫻井は言葉を選びながら慎重に伝えた。
「でも、治るんだよね？」
智はすがるように櫻井と松本を見つめた。
「今の医学では、まだ…。進行を遅らせるしかできない…」
「最悪の場合、あと1年ぐらい…」
櫻井を見つめていた智が目を閉じたと思ったら、体がふっと前に倒れた。
「智くん！？」
椅子から崩れ落ちる寸前で、櫻井が大野の体を受け止めた。
「大野さん！？」
智はショックのあまり気を失っていた。
ベッドに寝かせると数分で目を覚ました。
「何倒れてんだ…俺…」
ベッドに腰かけた智は吐き捨てるようにそう言った。
「前に…雅紀が言ってたんだけどね…」
智はポツリポツリと話しだした。
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いずみ(プロフ) - るんるんさん» 初コメントめちゃくちゃ嬉しいです。ありがとうございます！楽しみにして頂けて幸せです。これからもよろしくお願いします。 (2020年4月13日 16時) (
レス) id: 3797474e34 (このIDを非表示/違反報告)
るんるん(プロフ) - この後どうなるんだろ…って毎日ドキドキしてます！これからも応援してます！ (2020年4月13日 11時) (レス) id: 5f4c3622e1 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：いずみ | 作成日時：2020年4月4日 1時
