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診察室では、眠っている雅紀に櫻井が高血圧の原因を探ろうと心臓エコー検査をしていた。
「ん…？」
肺から心臓へと血液を送る血管から、細い血管が1本肺に伸びているのが見えた。
「…ウソだろ…」
櫻井は画面に釘づけになり、そう漏れた。
1度聴こえた異音
息切れ、足の浮腫
喘息発作からの血痰
喀血
ふらつき、嘔吐、高血圧…
点が線で繋がった。
カテーテルをやっても、CTを撮っても映らなかった…
今まで検査をしても、これと言った原因が見つからないことに、櫻井も松本も少し疑問を感じていた。
それでも異常なしと出れば、そうなのだろうと自分達を納得させていた。
だからって、こんな稀な病気…思いつきもしなかった…
何も知らずに眠る雅紀。
「………」
怪我をしてはいるものの穏やかに寝る雅紀の顔を見ると、涙がこみ上げてきた。
「大野さんに電話し…」
診察室の櫻井に声をかけようとした時、松本はエコー画面を見つめる櫻井の頬に涙が伝うのが見えた。
「翔さん…？」
何度も何度も雅紀の胸にエコーの機械を当てている。
雅紀が起きてしまうのではと思うほど。
「…っ…っ…」
翔さんはエコーの機械をそっと置き、雅紀の胸についたジェルを優しく拭った。
「潤…奥に行こう」
涙声の翔さんにそう言われ、雅紀がよく使う奥の部屋へ。
「これ…」
翔さんに見せられたエコーの写真。
「…えっ…」
「雅紀の心臓だ…」
写真には患者の名前である雅紀の名前が記されている。刻印された時間もつい先程のものだ。
「…ウソだ…！」
松本は手が震えた。信じたくなかった。
「検査の必要があるけれど…間違い無いと思う…」
「………」
松本も涙が溢れた。櫻井の言葉を否定したかったが、写真には病気の紛れもない事実が映し出されていて、否定することができなかった。
この病気は、肺から心臓へと繋がる太い血管から毛細血管ができてしまうもので、心臓へと血液を戻しにくくなる病気だ。今のところ治療法はなく、対処療法しかない。突然変異で生じた血管は徐々に増え、どんどん心臓に血液を戻しにくくなる。結果、血液の循環がうまくいかなくなり、他の臓器にも影響が出る病気だ。
カテーテル検査でも発見されにくく、ある程度病気が進み、画像として映し出されて発覚するものだった。
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いずみ(プロフ) - るんるんさん» 初コメントめちゃくちゃ嬉しいです。ありがとうございます！楽しみにして頂けて幸せです。これからもよろしくお願いします。 (2020年4月13日 16時) (
レス) id: 3797474e34 (このIDを非表示/違反報告)
るんるん(プロフ) - この後どうなるんだろ…って毎日ドキドキしてます！これからも応援してます！ (2020年4月13日 11時) (レス) id: 5f4c3622e1 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：いずみ | 作成日時：2020年4月4日 1時
