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「どうしたんだろう…昨日までは普通だったんだけど。今朝、起きてきたら、胸をさすっててさ。また気胸かと思ってびっくりして、聞いたら、気胸の時と違うって。それで横になってたんだけど、苦しい、動けないって言い出して…」
数年前、雅紀は肺が破れ、クリニックでは対処できず、手術を受けた。
だからこそ、胸を押さえる姿に智が不安を覚えたのだろう…
「そっか…今はまだなんとも言えないけど…少しね、心臓から雑音がした」
「えっ…」
櫻井の言葉に智が固まっている。
「うん、でもね、熱が出たり疲れてたりするとよくあることなの。だからそんなに心配しないでいいよ」
櫻井がそう言うと智は「はぁ…」と息を吐いた。
「朝までゆっくり点滴してるから、また明日来るね」
そんな言葉とは裏腹に、車に戻ってからも、櫻井の顔は冴えなかった。
松本は、いつも以上に時間をかけて櫻井が聴診をしていたことが気がかりだった。
「翔さん、何か気になった？」
「あ、うーん、ちょっとね…いつもの雑音とは違った音がしたような…気のせいだと思うけど…」
「心臓？」
「うん…なんだろう…聞いたことがない音が一回だけ聞こえたんだ…」
松本は胸がざわついた。
「この前の風邪が心臓に回った？」
ウイルスが心臓に入ると心筋炎を起こすことがある。
「いや…それならもっと痛かったりするはずだ…んー、ま、違うかな！単なる疲れの可能性もある！」
「そうだね。まだ何とも言えないよね」
心筋炎なんてごく稀だ
2人とも、雅紀は体が弱いから風邪の疲れを引きずっているだけだと思うことにした。
翌朝。智の家に2人で行くと、まだ発熱はしているものの顔色が良かった。
「さっきトイレに歩いて行ったけど、苦しくないって」
智が櫻井に報告する。
今日は、胸に聴診器を当てても雑音は聞こえなかった。
「まーちゃん、お粥食べる？」
智がお椀に卵粥をよそって持ってきた。
ベッド脇のテーブルにお盆を置くと、雅紀を重ねたクッションにもたれかけさせた。
「ありがと…さとくん」
雅紀の口に智がスプーンを運ぶ。
「美味しい？」
「うん…」
雅紀の食べるペースに合わせ、手慣れた様子でスプーンを運ぶ智に櫻井も松本も感心した。
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いずみ(プロフ) - るんるんさん» 初コメントめちゃくちゃ嬉しいです。ありがとうございます！楽しみにして頂けて幸せです。これからもよろしくお願いします。 (2020年4月13日 16時) (
レス) id: 3797474e34 (このIDを非表示/違反報告)
るんるん(プロフ) - この後どうなるんだろ…って毎日ドキドキしてます！これからも応援してます！ (2020年4月13日 11時) (レス) id: 5f4c3622e1 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：いずみ | 作成日時：2020年4月4日 1時
