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検査の為、出血した部位の肺の組織を一部採取する。
「まー、一瞬息止めてね。はい、吸って〜止める」
「オッケー。雅紀、呼吸戻して〜」
呼吸を再開した雅紀だけれど、むせ返ってしまった。
「ゲホっゲホっ…ゴホゴホっゲホっゴホッっ」
涙が溢れる。
櫻井は一度手を止めた。
「雅紀、鼻から吸うの意識してね」
松本が雅紀の耳元で声を掛けた。
「吸って〜、吐いて〜…」
「雅紀、あと2分だけ我慢してな」
カメラが動くたび、雅紀は強く智の手を握った。
「まーちゃん、あと少しだって！」
智は雅紀の頭を指で撫でた。
採取した組織の検査をする必要はあるが、出血した場所をしっかりと確認できた。
櫻井と松本はそのポイントを見て、ここだねと目を合わせた。
「雅紀、終わったよ〜」
管を抜きながら声をかける。
「まー、終わったよ。痛かったね、動かずに協力してくれてありがとね」
目の上のタオルを外し、雅紀の涙を拭きながら松本が言った。
櫻井が体の拘束も外した。
「雅紀、口開けてごらん？」
喉の麻酔のせいでうまく唾液が飲めないため、櫻井が口腔内の唾液を吸引しようと管を近づけると雅紀は潤んだ目で櫻井を見つめ、微かに首を横に振った。
「雅紀、これは奥には入れないよ。オエッてならないよ」
櫻井の言葉に安堵した雅紀は、すんなり口を開け吸引の処置を受けた。
普段の雅紀なら、そんなに治療を拒まないから、検査がどれだけしんどかったのか、智には痛いほど伝わった。
「まーちゃん、麻酔切れるまでゆっくりしようね。疲れたね」
部屋に戻り、そう声をかける智の服を雅紀が引っ張った。
「ん？」
ありがとうって…
麻酔のせいで声は出ない。
でも、智には雅紀の言いたいことが読み取れた。
「うん。伝えるね」
口元には雅紀のお気に入りのクローバー柄のタオルを敷いた。
横向きに寝る背中を智がゆっくりさすっているとそのまま雅紀は眠ってしまった。
確かに検査は辛かったのかもしれない。
ただ、今回は櫻井が雅紀が使えるギリギリの量の麻酔しか使用しなかったこともあって、発熱も吐き気も腹痛も全くなかった。
「熱ない！吐き気ない！！お腹痛くない！！！」
雅紀はとても嬉しそうだ。
喉の麻酔も切れ、飲み物も普通に飲めるようになった。
「美味しい」
雅紀の笑顔が見れて、3人もまた笑顔になった。
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いずみ(プロフ) - るんるんさん» 初コメントめちゃくちゃ嬉しいです。ありがとうございます！楽しみにして頂けて幸せです。これからもよろしくお願いします。 (2020年4月13日 16時) (
レス) id: 3797474e34 (このIDを非表示/違反報告)
るんるん(プロフ) - この後どうなるんだろ…って毎日ドキドキしてます！これからも応援してます！ (2020年4月13日 11時) (レス) id: 5f4c3622e1 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：いずみ | 作成日時：2020年4月4日 1時
