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二宮も松本も、この町で医者になるつもりだった。
だが、二宮の才能がそれを許さなかった。
研修中に書き上げた一本の論文が、有名雑誌に載り、表彰されたのだ。
これがきっかけで二宮のもとには、沢山の病院からオファーが来た。
「はあ…。東京なんて行きたくないよ、論文なんて書かなきゃよかった。潤くん代わりに行ってよ」
「は？！お前に来てんだよ、オファーは」
大学の教授らに懇々と説得された彼は、しぶしぶ東京に向かった。
その後、暫くは休みの度に帰ってきていた。
しかし、留学先のアメリカで手術の腕前が認められると、多忙を極めるようになり、今では二宮の診察は3年待ちといわれ、ここ数年この町に帰ってきていなかった。
「この前もニノの論文、医学誌に載ってんの見た。ホント、ニノはすげーよ」
二宮と幼い頃から常に時間を共にしてきた松本は、才能の塊の二宮に嫉妬したこともあったが、今では彼を心から尊敬していた。
「ニノ、頑張ってんな。それで、雅紀は体調どうだ？大丈夫か？」
大野智と相葉雅紀はいとこ同士だ。
彼らの祖父母が経営していたこのカフェを、雅紀の高校卒業をきっかけに2人で受け継ぎ、一緒に生活していた。
雅紀は、生まれつき体が弱かった。
今でも体調を崩すことは多く、櫻井の診察を受けている。
つい1週間前も、風邪を引いてクリニックを受診していた。
「うん！大丈夫！！」
そう答えた雅紀に「ホントかー？」と櫻井は返した。
「智くん、ホント？」
頑張り屋さんの雅紀は、体調不良を隠すことが多かった。
「この前から、熱が出たりとかはないよ」
智の答えを聞いて、櫻井はやっと安心した表情を浮かべた。
「俺も信用してよ！翔ちゃん！！」
「無理だろ。今まで何回、無理してぶっ倒れてんだよ」
松本に突っ込まれた雅紀は、肩をすぼませた。
「ハハハ。雅紀が元気ならいいんだよ。疲れたら休むこと。いいね？」
「はーい」
お昼を食べ終えて、櫻井と松本はクリニックに戻った。
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いずみ(プロフ) - るんるんさん» 初コメントめちゃくちゃ嬉しいです。ありがとうございます！楽しみにして頂けて幸せです。これからもよろしくお願いします。 (2020年4月13日 16時) (
レス) id: 3797474e34 (このIDを非表示/違反報告)
るんるん(プロフ) - この後どうなるんだろ…って毎日ドキドキしてます！これからも応援してます！ (2020年4月13日 11時) (レス) id: 5f4c3622e1 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：いずみ | 作成日時：2020年4月4日 1時
