22 ページ22
「よいしょ。薬塗らなきゃ」
ローションで保湿した後、部位ごとに処方された薬を塗っていく。
「背中しよっか」
「うん。ありがとう」
背中は所々掻いた跡があるものの、綺麗だった。
「毎日やってんだ。えらいね、まーくん」
「だってサボったら松潤に怒られるんだもん。毎日朝と夜に塗りなって言われてて、受診日にケース持っていってちゃんと使ってるかチェックされるの」
「はははっ！こまかっ！」
松本の細かさに笑いつつも、手厚いケアをしていてさすがだなあと二宮は思った。
「ねえ、ニノ明日さ……あのさ…」
「ふふふっ。まーくん、眠いんでしょ？もう寝な」
雅紀は赤い目をして限界。
「だって行きたいとこ……いっぱい…………」
「分かってる。明日たっぷり聞くから」
二宮は気づいたら雅紀の背中を撫でていた。
雅紀を溺愛する櫻井の気持ちがほんの少しだけ分かった気がした。
雅紀が行きたいところが沢山あると言っていたから、翌日は朝から外に出かけた。
「ここのね、パンが食べてみたいの！これ！美味しかったら智がパン好きだから帰る時に買いたいなと思って」
「帰り？そこに寄ってから帰るの？」
「うん。翔ちゃんがね、迎えにきてくれるって言ってたから寄ってもらおうと思って」
運転していた二宮は、「はあ？！」と素っ頓狂な声を出した。
「翔ちゃん、迎えにも来るの？！」
「うん。退院の時間に行くから、待っててねって言われたよ」
体調に問題がないからてっきり飛行機で帰るものと二宮は思っていた。
「翔ちゃん、俺ともデートしようねって言うんだよ。面白いよね」
笑いながら言う雅紀の話を聞きながら、呆れ返る松本の顔が目に浮かんで二宮もまた笑った。
スマホで見つけたというお洒落なパン屋さんに到着した。
二宮も1人ではこんな店に来ることがないから新鮮だった。
「クロワッサン美味しそう！わあ、こんなの挟まったパンもあるんだ！東京のパン屋さんおっしゃれー！」
大きな声で言うから静かな店内に響いた。
「美味しそうだけど、静かにしなさいよ、ったく」
迷いに迷った末、雅紀と二宮はそれぞれ2つずつ選んだ。
「お会計は」
「一緒で」
サラッと二宮が雅紀の分まで払ってくれた。
「ニノ、いくら？」
「うんうん、今日は全部払うよ。いつも帰ったらカフェでタダで食べさせてもらってるお礼に」
雅紀はびっくりしたような顔をした後、嬉しそうに笑って「ありがとう」と言った。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 125人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「嵐」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
蛍(プロフ) - 今頃読みました！更新ありがとうございます！うれしい！元気なまーくん、ニノも元気にお医者さんしてる…嬉しくて一気に読んじゃいました。本編はまたゆっくり、いつまでも待ってます！ (2022年5月30日 19時) (
レス) @page29 id: 1a848003a8 (このIDを非表示/違反報告)
いずみ(プロフ) - あのひさん» そう言って頂けてとても嬉しいです。そうですね！翔ちゃんとたくさん話が弾んだかなと思います！気まぐれにまた番外編を載せるかと思いますので、その時はよろしくお願いします。 (2022年4月20日 22時) (レス) id: d2293ee81b (このIDを非表示/違反報告)
いずみ(プロフ) - *ｈａｎａ*さん» こちらこそ、コメントありがとうございます！また優しいお言葉嬉しいです。これからもよろしくお願いします。 (2022年4月20日 22時) (レス) id: d2293ee81b (このIDを非表示/違反報告)
あのひ(プロフ) - 久しぶりに仲間たちに会えて、とっても嬉しいです！番外編、得した気分です♪翔ちゃんとの帰り道も楽しそうですね。 (2022年4月19日 21時) (レス) @page29 id: 2bf0d880c6 (このIDを非表示/違反報告)
*ｈａｎａ*(プロフ) - なんて素敵なお話、読ませて頂き本当にありがとうございます！ 幸せそうな雅紀くんに、こちらまで最高に幸せな時間を堪能できました。本編のほうは、ゆっくりゆーっくりお待ちしております(*^ ^*) (2022年4月19日 10時) (レス) @page29 id: aade336626 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：いずみ | 作成日時：2022年4月18日 22時
