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「うん？気持ち悪いかな？大丈夫だよー。楽な姿勢になろうね〜」
生田は一度麻酔するのをやめて、診察台を下げ背もたれを少し起こした。
止まらない動悸。
収まらない眩暈。
早くなる呼吸。
雅紀は全身にじっとりと冷や汗をかいていた。
一本目の麻酔までは問題なかったのに…
せっかくいい先生に出会えて治療してもらえそうだったのに…
悔しくてたまらず、雅紀は涙が込み上げてきた。
「……ヒグッ……グスッ………」
泣き出してしまった雅紀に生田は驚いた。
「どの辺が辛いかな？気持ち悪い？」
顔色を確認し、胸をさする。
「動悸……めまい……ヒグッグスッ………くやしい……」
最後に漏れた言葉で、生田は涙の意味が分かった。
「相葉さん、大丈夫大丈夫。麻酔すると動悸が起こることって少なくないから大丈夫だよ」
「……ほん…ヒグッ…と？」
「本当。落ち着いたらまた治療始めるからね。大丈夫。何も考えないで、焦らないよ」
看護師が背中をさするリズムに合わせて、雅紀は深呼吸を繰り返した。
「ちゃんと呼吸できてるよー。もう少ししたら落ち着くからね〜」
生田の言葉通り、5分ほどで落ち着いた。
気を取り直して治療を再開。
『んぐっ………ん……』
「痛いかな？」
「いあい…」
「ちょっと麻酔追加するね」
生田は雅紀の様子を見ながら少しずつ麻酔を追加することにした。
今後の治療に役立てるため、どのくらいの量を追加したかその度に記録に残した。
「相葉さん、削り終わったよ〜。大丈夫？」
雅紀はコクンと頷いたが、顔に掛けていたタオルを外してみるとどこかトロンとした顔。
「熱測って」
看護師に小声で指示を出し、生田は急いで処置を進めた。
「37.8度です」
これから上がる可能性もある。
詰め物の型をとるつもりだったが、それを止めて薬剤を詰めて仮蓋をした。
「口ゆすごっか。大丈夫？」
生田は雅紀の身体を支えて起き上がらせたが、雅紀は目を閉じ生田に身体を預けたままぐったり。
「待って………」
身体を起こしたスピードが少しいつもより早くてそれに疲れた雅紀の身体はついていけず、眩暈を起こしてしまった。
「気持ち悪い……」
生田は近くのベッドに雅紀を運び、足を高くして寝かせた。
「虫歯のところはちゃんと削れたから大丈夫だよ。ゆっくり休んで明日型取りしよっか」
「うん……ありがとう…迷惑…かけて……すみません……」
青白い顔色で雅紀は目を閉じたまま言った。
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蛍(プロフ) - 今頃読みました！更新ありがとうございます！うれしい！元気なまーくん、ニノも元気にお医者さんしてる…嬉しくて一気に読んじゃいました。本編はまたゆっくり、いつまでも待ってます！ (2022年5月30日 19時) (
レス) @page29 id: 1a848003a8 (このIDを非表示/違反報告)
いずみ(プロフ) - あのひさん» そう言って頂けてとても嬉しいです。そうですね！翔ちゃんとたくさん話が弾んだかなと思います！気まぐれにまた番外編を載せるかと思いますので、その時はよろしくお願いします。 (2022年4月20日 22時) (レス) id: d2293ee81b (このIDを非表示/違反報告)
いずみ(プロフ) - *ｈａｎａ*さん» こちらこそ、コメントありがとうございます！また優しいお言葉嬉しいです。これからもよろしくお願いします。 (2022年4月20日 22時) (レス) id: d2293ee81b (このIDを非表示/違反報告)
あのひ(プロフ) - 久しぶりに仲間たちに会えて、とっても嬉しいです！番外編、得した気分です♪翔ちゃんとの帰り道も楽しそうですね。 (2022年4月19日 21時) (レス) @page29 id: 2bf0d880c6 (このIDを非表示/違反報告)
*ｈａｎａ*(プロフ) - なんて素敵なお話、読ませて頂き本当にありがとうございます！ 幸せそうな雅紀くんに、こちらまで最高に幸せな時間を堪能できました。本編のほうは、ゆっくりゆーっくりお待ちしております(*^ ^*) (2022年4月19日 10時) (レス) @page29 id: aade336626 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：いずみ | 作成日時：2022年4月18日 22時
