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「智くんち、初めてだわ〜」
俺の運転で向かう智くんの家は、誰も行ったことがなかった。
「ねえ、大ちゃんちってどんな感じなの？」
「普通だよー」
「気になるー！」
「もうすぐ着くんだから、静かにしてなさい！」
いつもの展開なのに笑ってしまう。
「翔くん、駅の方から行ってくれる？」
少し前に、智くんは、松潤が迷わないように、駅から自宅までの道を動画に撮って送っていた。
松潤は何度もそれを見ていたが、実際に来るのは初めてだ。
「ここが駅ね。その横がスーパー」
智くんが説明する声が聞こえる。
「ここのコーヒーが美味しいの。松潤も行ってみな」
「そうなんだ！うん！今度行く！」
返事をする松潤の声が明るくて安心する。
智くんの家は駅に程近いタワーマンションだった。
駅からも見えるし、迷うことはないだろうと思ったが、智くんは慣れるまで心配だと言っていた。
「松潤、今の道が動画と同じ道だからね。道が分からなくなったら、動画見るんだよ」
智くんにそう言われた松潤はしっかりと頷いていた。
智くんちに着いた。
「立派なマンションだね！すごい！」
相葉ちゃんが興奮してる。
車から智くんちに荷物を運ぶ。
智くんの家は15階だった。
「突き当たり、松潤の部屋ね。昨日掃除しといたから」
「ありがとう、大野さん」
松潤は感激しきりだ。
「元々何の部屋だったの？」
「ん？あー、その部屋は使ってなくて、描いた絵を置いてた」
そう、智くんの趣味は絵を描くこと。その実力は高く、画展に出展し賞を受賞したこともあった。
松潤の荷解きをする。
そして、こーくんBOXも出した。
「はい、松潤」
「あー、ありがとう」
松潤はしばらく渡された箱を見つめた後、蓋を開けた。
その動作に全員が驚いた。松潤にとって、最も触れたくないはずの物だからだ。
「みんなにも一緒に見てほしくて。辛いとき助けてほしいから」
俯いて小さく話した松潤を智くんが力一杯抱きしめた。
「松潤！よく言えた！そう！そうやって、みんなの力を借りようねって話したね？」
「うん…3人に荷物作りに行ってもらうことが…本当は不安だったの…見たら、引くんじゃないかって」
「そんな人達じゃないって分かってたよ。だけど、怖かった…」
そうだよね…誰しも隠したい部分はあるものだ…
「でも、3人とも全然変わってなくて、安心した…だから見てもらおうって」
やはり、さっきの変化は嘘じゃなかった。
それだけ心を許してくれたことが何より嬉しかった。
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いずみ(プロフ) - meiさん» 初コメント下さり、ありがとうございます！嬉しいです！これからもよろしくお願いします！！ (2020年2月7日 16時) (
レス) id: 9c1572c021 (このIDを非表示/違反報告)
mei(プロフ) - 感想書かせていただきます！！ほんとに心が暖かくなる作品だなーと思います！！これから主人公がどうなるのかなーとワクワクしながら更新待っています！楽しみです！頑張ってください！！ (2020年2月7日 14時) (レス) id: fd406e97dc (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：いずみ | 作成日時：2020年1月24日 14時
