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タンスの服は一通り詰め終わり、リビング横のベッドルームのクローゼットに取りかかった。
「松潤、ホントおしゃれだなー。コートもこんなに持ってる」
「医者の俺らがあまりにも洋服に無頓着なんだよな」
そんな会話をしながら、荷物を詰めて、ロングコートを出すと、そこには箱が置いてあった。
「これが、こーくんBOXかな？」
智くんは、そう言って蓋を開けた。
開けてすぐに文字が目についた。
それは、いつもの松潤のものだった。
おちついて、しんこきゅう
そう書かれた紙は、几帳面な松潤らしく、クリアファイルに入れて、箱の1番上に置いてあった。
それらは数枚あり、ホッチキスで留めてある。
次の紙には、いちごのあめをたべる
あめが入っている袋の写真も添えてある。
次の紙には、『こうちゃをのむ』の文字とコップの写真が。
その数枚あとには、みずをもってきて、くすりをのむ
こーくんになった時に落ち着くためにすることが1枚ごとに大きな文字で書かれていた。1枚やって、駄目なときは次、それでも駄目ならばその次と、するべき対処法が書いてあった。
そして、最後の紙には大きく、おおのさんにでんわと赤いペンで書かれていた。
これらをこーくんでない松潤はどんな気持ちで書いたのだろう…
自分が自分ではない時間に、変なことをしないように、少しでも自分らしさを保ちながら行動できるようにと必死の思いだったのだろうか…
それに最後の紙は、何度も握り締めたのだろうか、クシャクシャだった。加えて、涙の跡がいくつもあった。
この紙を見ながら、何度こーくんの松潤は苦しんだのだろう…
「こーくん、いつも俺に電話くれるときは、泣いてんだよね」
智くんはよれた紙のシワを伸ばすように何度も手で伸ばしながらそう言った。
松潤の言う通り、箱の中にはぬいぐるみやプラスチックのマグカップ、部屋着なども入っていた。
「松潤、しっかりしてんな。こんなにキッチリやってたんだ…俺がこうしたらいいよって伝えたんだよね」
落ち着ける物がすぐ手に取れれば安心しやすくなるからね
智くんは、これからの生活を見据えてか、１つ１つ丁寧に見ては、箱にしまっていた。
松潤…こんなに頑張ってたのに…
自分の事ではないけれど、悔しさが込み上げてしょうがなかった。
ベッドサイドには、薬の袋が重ねて置いてあった。
そして、その横には、ニノの誕生日会をした時に撮った写真が飾られていた。
それらも大切に箱にしまった。
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いずみ(プロフ) - meiさん» 初コメント下さり、ありがとうございます！嬉しいです！これからもよろしくお願いします！！ (2020年2月7日 16時) (
レス) id: 9c1572c021 (このIDを非表示/違反報告)
mei(プロフ) - 感想書かせていただきます！！ほんとに心が暖かくなる作品だなーと思います！！これから主人公がどうなるのかなーとワクワクしながら更新待っています！楽しみです！頑張ってください！！ (2020年2月7日 14時) (レス) id: fd406e97dc (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：いずみ | 作成日時：2020年1月24日 14時
