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目を覚ました松潤は、まるで人形の様で、感情を失ってしまっていた。
傷の治療は絶対に痛いはずなのに、全く反応がない。
身体の傷は治っても、心の傷は深かった。
「生きてる意味なんてない、死にたい」
生きる意欲を失い、そんな言葉を口にした。
「しばらく松潤のとこに、来ないようにして。
今は、誰にも会いたくないみたい」
そう言われて、ここ１ヶ月程会えていなかった。
「身体そのものはどこも悪くないんだ。胃潰瘍の薬も続けてる。でも、精神面がね…。オーバードースした日の事を一度聞いたんだけど、てんかん発作からの昏睡で。まだ聞くのは早かったみたい」
想像以上の深刻さに言葉が出なかった。
「ま、でも、今日みんなで集まることは松潤に話したの。そしたら、本当に久しぶりに反応してくれて。楽しんできてねって松潤言ってくれたからさ。楽しもう！」
人を気遣う松潤らしい。
「そうだね！じゃあ、再度。智くん、お誕生日おめでとう！乾杯！」
智くんはノンアルコールで乾杯。
百貨店で吟味したプレゼントを2人に渡す。
「何これ！超肌触りいいね！」
「すげえ！ありがとう、翔くん」
ニノは室内用サンダルを2人にプレゼントした。
「大ちゃん、また論文すっぽかしたんだって？」
「え！なんで相葉ちゃん知ってんの？」
「知ってんの、じゃないのよ。ウチの病院で知らない人いないわ。なんで、書かないのよ」
「だって、俺、文章書くの嫌いなんだもん」
「嫌いって」
智くんらしい答えに相葉ちゃんは笑いを堪えられない。
「よく教授何も言わないよね？怒られたりしないの？」
「なんも言わないね。俺がそういう奴って諦めたんだよ」
ホント書いてみ？ツライぞー
「みんな書いたんですよ。大野さんだけです、特別なのは」
4人で手を叩いて笑う。楽しいなあ。気の置けない仲間との食事は日頃の嫌な事を吹き飛ばしてくれる。
ここに松潤も居れたらな
しばらく話していると、智くんのスマホが鳴った。
みんな一斉に静まる。
険しい顔で、画面を覗いた智くん。
「あー、良かったあ。松潤、落ち着いて眠ってるって。呼吸も数値も安定してるって。あー、ホント良かった…」
智くんの後輩の大倉が松潤のモニター画像と共に連絡をくれた。
「今日は大丈夫そうですって。あー、安心した…」
智くんの笑顔が柔らかい。
きっと、ここ何日間か智くんも気が張っていたんだろう
「俺も飲もうかな」
「飲もう飲もう！大ちゃん、お疲れ！」
もう一本ワインを追加した。
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いずみ(プロフ) - meiさん» 初コメント下さり、ありがとうございます！嬉しいです！これからもよろしくお願いします！！ (2020年2月7日 16時) (
レス) id: 9c1572c021 (このIDを非表示/違反報告)
mei(プロフ) - 感想書かせていただきます！！ほんとに心が暖かくなる作品だなーと思います！！これから主人公がどうなるのかなーとワクワクしながら更新待っています！楽しみです！頑張ってください！！ (2020年2月7日 14時) (レス) id: fd406e97dc (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：いずみ | 作成日時：2020年1月24日 14時
