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それから、定期的に松潤の病室に顔を出し、俺たち3人ともだんだん距離を縮めることができた。
最初の入院時に、松潤は別人格になると、多くの患者と同様、幼くなることがわかった。
幼くなり、暴力的になる人もいるが、松潤は逆で、大人しく物静かで、だけど表情が豊かになった。
智くんは、松潤が真面目な人だから、普段常に気を張っていて、別人格になると解放されるんだろうと見立てていた。
『今日、松潤の部屋に来れる？昨日から、別人格なの』
智くんからの連絡を受けて、勤務時間後に病室に3人で行くと、松潤は、静かに料理雑誌を読んでいた。
「どうなの？」
「うん、ゆっくりだけど普通に話せるよ。別人格の名前はね、こーくんなの」
解離性障害の人は、別人格ごとに名前があることが多い。
「年齢は6〜7歳ぐらいかな。理解力もそんな感じ。今も本開いてるけど、漢字は全く読めていないの」
病室に入る前に智くんが教えてくれた。
当然、俺たちのことも分からないから、再度自己紹介をした。
すると、こーくんはすんなり俺たちを受け入れてくれた。
「こーくん、なに見てるの？」
あまり刺激しないように、優しく尋ねる。
「あのね、ケーキ。おいしそうだなあって」
話し方がいつもよりふわっとしていて、声も高い。
「ホント美味しそうだね。こーくん、ケーキ食べたいの？俺、買ってこよっか？」
ニノは普通のスピードで話したけれど、今の松潤には処理しきれなかったみたいだ。
「うーん、んーんー…」
そう言って、黙ってしまった。
智くんが松潤の顔を覗きこみながら、ゆっくり聞いた。
「こーくん、ケーキ食べたい？」
「うん、食べたい。いちご」
「いちごのケーキが食べたいの？」
「うん」
「ニノが、買ってこようかって言ってくれてるよ」
少しずつ尋ねると、松潤は理解できたみたいだった。
「うん。ありがとう、ニノ」
いつもは握手なんて求めないけど、こうくんニノに手を伸ばした。
「はい、握手ね。それじゃ、行ってくるね」
ニノがケーキ屋さんに行ってくれた。
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いずみ(プロフ) - meiさん» 初コメント下さり、ありがとうございます！嬉しいです！これからもよろしくお願いします！！ (2020年2月7日 16時) (
レス) id: 9c1572c021 (このIDを非表示/違反報告)
mei(プロフ) - 感想書かせていただきます！！ほんとに心が暖かくなる作品だなーと思います！！これから主人公がどうなるのかなーとワクワクしながら更新待っています！楽しみです！頑張ってください！！ (2020年2月7日 14時) (レス) id: fd406e97dc (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：いずみ | 作成日時：2020年1月24日 14時
