嘘の嘘のそのまた先 (ページ15)

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思ったよりもページ15

Aside

「この資料作成終わりました！チェックお願いします。」

相変わらず、仕事は忙しい日が続いている。

気付くと一日が終わっているそんな日々。

でも、阿部さんとの距離は確実に近くなっている。

阿「朝長さん！今日の夜空いてる？」

「空いてます！」

あの日以来の夜ごはん。
やっぱり、おしゃれなお店じゃなくてチェーン店の居酒屋。

阿「え！これどうやるの！」「こんなこともできるの！」

普段は完璧なのに、お店のタブレットだけで興奮している阿部さんは、正直すごくかわいい。

阿「Aちゃんは休みの日何してるの？」

阿部さんは、仕事以外の時は私のことを名前で呼ぶようになった。

「買い物とか、家のこととかやってたら一日終わっちゃいます。阿部さんはなにやってるんですか？」

本当は家でずっと動画見てたりして、一日の半分くらい使っちゃうこともあるけど、阿部さんにはそんな姿見せたくない。

阿「世界遺産調べたり？」

「え！どういうことですか！」

どうやら、阿部さんは世界遺産検定を持っているらしい。
存在は知ってたけど持っている人に会ったのは初めて。

休みの日でも勉強するところは阿部さんらしいな。

阿部さんといると落ち着く。
だから普段あんまり飲まないお酒も進んじゃう。

少し、酔っちゃったかも。
でも、阿部さんには恥ずかしいところ見せたら大変だ、、

｢ありがとうございました！また行きましょうね！｣

軽く酔った私は気を良くして、こんなことを言っていた。

阿「うん、楽しかった！また行こうね」

阿部さんもそんなこと言ってくれた。

「じゃあ、私は次で降りるので！」

電車は、そろそろ私の最寄り駅に着く。

阿「大丈夫？駅から近いんだっけ？」

「はい！究極の駅近ですよ。」

阿「良かった。気をつけてね。」

「ありがとうございます。また、月曜日！」

阿部さんと別れるまでは、ちゃんと気をはっていたのに。
別れるまでは…