存在しても、いいですか？PartⅡ【A3!＊BROTHERSCONFLICT】 (ページ14)

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お話 58 ページ14

驚いた。
本当に驚いてる。
驚きすぎて、今何も言えねぇ。

嬉しい。
本当に嬉しい。
嬉しすぎて、今抱きしめてぇ。

手遅れだ。
俺の体どうにかしちまってる。
勝手に手が出ちまった。

「……万里？」

抱きしめてる。
抱きしめてぇじゃねぇよ。
俺は今、抱きしめてんだよ。

「……ちょ、苦しいよ。」

我慢しろよ。
俺は、嬉しすぎてどうしようもなんねぇんだよ。

どうにかなっちまいそう。

いや、なってるか。

誰かに見られたらどうなるんだろう。

つーか、ここ屋上だ。
見られねぇよ。

んなのどうだっていいんだよ。

嬉しくて、舞い上がってんだから。

「……万里ったら。苦しいよ。」

そろそろ、緩めてやんないと、怒るか。
しゃーねぇな。

「……なんで笑顔なの？」

なんでって、嬉しいからに決まってんだろ。
鈍感かよ。

「……万里？聞いてるの？」

「聞いてる聞いてる。」

「じゃあ、返事してよ。」

「おう。」

「……何よ。ニヤニヤしちゃって。気持ち悪。」

罵倒すんじゃねぇよ。

これは、俺が勝手に願ってたことなんだ。

それが、叶ってんだから嬉しいに決まってんだろ？

「……私、舞台関係にもう一度関わりたい。お芝居がしたい。」

こんなこと言ってくれるなんて、第1の進歩じゃん。

舞台誘って良かったわ。

まぁ、出来れば……

「……万里！置いてくよ！」

「あ、悪ぃ！」

関係も進歩させてぇって思ってちゃ、ダメかな？

なんつってー

「……万里。ありがとう。」

「あ？なんか言ったか？」

「なんでもないよーだ。」