愛の監獄 【ヤンデレ】【太宰治】

真実 ３８ ページ38

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「暴力を、振るっていたのだろう？」





そうだ



俺はAをずっと、暴力で支配していただけだった





Aが、俺を愛していないのも全部知っていた



そしてAがそれを隠す為に、自らを洗脳したのも、全て





「中也





もう夢を見るのは終わりにしろ」









全て、俺の世界だけだったからだ





「Aちゃんが中也に助けを求めていたのも



中也の事ばかりを考えていたのも全て





暴力を振るい続ける中也から逃げる為に、自らを嘘で包んだ結果だ





いつまでそれに甘えているつもりだったのだい





本当はAちゃんが、中也を愛していなかったのも



結婚だって望んでいなかったのも全て知っていたのだろう」





やめてくれよ



もう耐えられそうにねェんだ





Aが俺から逃げる為に、自分に嘘をつき続けていたのも知っていた



のに





本当は、俺を愛してくれているのではないかと思っていたのに



青鯖の言う通り、結局俺は夢を見ていただけだった





「Aちゃんはそれでも、中也から離れる事ができなかった





それは中也が、この横浜の黒社会そのものであるポートマフィアで私と共に双黒と呼ばれていたからだ





Aちゃんはマフィアからの報復を恐れていた



マフィアに一度狙われてしまえば、二度と朝日を見る事はできない





そんな組織の上層部に、中也がいたからだ」





頭が痛い





もう何も聞きたくない





わかってんだよ、そんな事





全部、全部、わかってんだよ………ッ





「己の強さで恋人を縛り、否、一方的に相手を押さえつけ





Aちゃんを己の世界に閉じ込め





Aちゃんは中也の元で生き残る為に、自分で自分を洗脳までしてしまった





それでもまだ、中也は、……───」





『あァ………そうだ、俺は、俺達は





全部嘘だったンだよ』





こんなに辛い事があるか





もう涙すら出ねェよ





頼むから、そんな目で俺を、見ないでくれ





『それでも、俺は………



俺は………………ッ





ただ、好きなんだよ………





本当に、愛しているだけなんだよ………ッ』

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