愛の監獄 【ヤンデレ】【太宰治】

痛叫 ３６ ページ36

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中也が拳を、足を振る音が聞こえる



中也はまた、Aちゃんに暴行を加えていた





始めは大きかった声も、次第に小さくなって



やめてからごめんなさいへ





中也は怒り狂い、怒涛の叫び声を浴びせる





周りとの通信を完全に遮断され、窓もない部屋に閉じ込められて



それだけでも可笑しくなってしまうのに、夜は中也の暴力に耐えて、そして





無理矢理襲われて





そしてまた朝が来て、夜が来て、そこから自力では逃げられない









探偵社に出勤しなければよかった



ずっと家に、Aちゃんの側にいてあげられたら、Aちゃんはこんなに苦しんでいないのに





私のせいだ



私が少しでもAちゃんから目を離して、一室に閉じ込めるのをやめたからだ





『そういうことか。





もう、中也に、なんて



渡さない』





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「足りねェ…



足りねェよ…！！！！」





『…ちゅ、うや…ッ』





体中が痛くて指一本動かせない



毎日こうして中也は叫びながら私に暴力を振るう





中也はきっと、私を愛してくれているから、だから



だから、こんな事するのかもしれない



これが中也の愛し方だから？





『違う…』





こんな事をするのが中也の愛し方だって？



そんな事言ったら、全てが許されてしまう





ここに閉じ込めて私を好きなように扱って、まるで人間ではないかのようにそばに置いて



人権すら奪われているのに、何故許されるのかわからない





だから違うんだよ





私が本当に欲しかったのは、中也じゃなくて





太宰さんだったからだ





「何だよ…



何が違ェんだよ？」





『わた、しは…っ…』

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