誘拐 2 ページ2
・
『…うん、わかった。待ってるね。』
【ああ、悪ィ。じゃあな】
プツッ───────
機械音を発する携帯の電源を落とし、する事もないので何気なくテレビを付ける
パッと映し出されるバラエティ番組のカラフルな画面と映る芸能人達の大きな笑い声が静まり返っていた部屋を突如明るくする
『えへへ…中也の…奥さんか…笑』
ソファに体操座りをし、誰もいないのに羞恥心からか足の指をいじりながらほくそ笑む
これほどまで、幸せになって良いのか逆に心配になる程幸福でたまらない
帰って来たら、思いっきり抱き着いてコートと帽子を預かってハンガーに掛けて、夕飯を出してお風呂を沸かして、寄り添いながらテレビを見て同じ布団で寝る
考えただけで顔が自然とにやけてしまう
『早く帰ってこないかなあ…寂しい』
大きな欠伸をし、落ちてくる瞼と睡魔に抗えず、そのまま意識を手放した
・
『ふぁ…あ…』
視界がぼやけ、よくわからない恋愛ドラマの台詞がたらたらと流れ込む
完全に意識が確立し、そこでようやく寝てしまっていたのだと気付く
時計は19:34を指していた
意識が飛んでから、そう時は経っていないようだった
ゆっくり起き上がり、顔にかかる茶がかった髪を後ろにかきあげ前髪を手櫛で整える
『夕飯…作らないと』
薄いベージュのスリッパを履き、台所へ歩く
『え?なんで開いてるの?』
台所の隣にある、LEDの照らす玄関へ繋がる廊下とリビングを隔てるドアが開いていた
寝る前に、というかここはいつも閉めっぱなしにしているはずだった
たまたま開けっ放しにしてしまったのだろうか?
不思議に思い、明るく照らされた玄関を目を凝らして見る
『え…なに、あれ…?』
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茉耶 - 最近あひゃこさんの夢小説ばっかり見ていつも泣いてます!毎回いい作品をありがとうございます!!また太宰さんの小説書いて欲しいです! (2019年8月11日 16時) (レス) id: 2037e6e45f (このIDを非表示/違反報告)
−こま−(プロフ) - 太宰さんんんんん!!かっこいいーー!!!好きですううう!作者さんも、太宰さんも愛してます← (2018年11月22日 20時) (レス) id: 43a4a6fc1b (このIDを非表示/違反報告)
長月冬麻(プロフ) - すっっっごい面白かったです!ヤンデレ文豪さん、ほわぁ…真逆中也さんがあんなことをしていたなんて、さいっっっこうのドンデン返しでしたっ!私あんまり死落ちのヤンデレさん好きではないんですけど、すっっっごい面白くて、好き以外に選択肢がなかったです。 (2018年7月28日 19時) (レス) id: 0ab6a974b3 (このIDを非表示/違反報告)
あひゃこ(プロフ) - かしさん» コメントありがとうございます! いつも死ぬ時は大体途切らせちゃってるのでわかりずらいんですよね(><)すみませんm(_ _)m 閲覧ありがとうございます! (2018年6月19日 21時) (レス) id: 782bc5610f (このIDを非表示/違反報告)
かし(プロフ) - 物凄く面白かったです!最後に夢主の回想が途切れた時はえ?あれ?タブレット壊れた?と思いましたが、そう言うことだったんですね! (2018年6月19日 17時) (レス) id: 5b825520a3 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:私です x他1人 | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/my.php
作成日時:2018年3月27日 11時