逃走 26 ページ26
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陽は落ち、月が横浜を照らす
賑やかだった街はどんどん夜が深くなるにつれ、人通りが減る
私はこれから一体、どうしたら良いのだろうか
結局彼が追ってくる気配は一向にない
自分の家に帰ろうか
帰れないよ、私は帰り方を知らない
『どうしよう…帰れない…ッ』
ああ、そっか
また嵌められた
だってこんな知らない場所に連れてこられて
私がこうして逃げても
どうすることもできないものね
そうだよ
私は何も出来ない
『もう…どうしたらいい…?…なんで…』
何をどうしても彼から逃げ切れる気がしなくて
今でもこうして彼の手の中で踊らされている
どうして私は
なんで
・
『クソッ…!!
A…!!』
あんなにも死に物狂いで探していた彼女は
平日の真昼間、何事も無く俺の前に現れた
それでも、彼女は泣いていた
必死に窓を叩いて、俺に助けを求めていた
隣にはポートマフィア逃亡の容疑がかけられている青鯖の姿
ああそうか
太宰はAを連れて行くんだ
このまま、俺がどう足掻いても届かねェ所まで
やり場のない怒りと溢れ返ってくる殺意がもう抑えきれそうにない
『なあ…
待ってくれよ…!!
やっと…────────』
無意識に伸ばしていた腕をだらしなく下ろし、その場にしゃがみ込む
部下達も焦り、俺の周りを取り囲む
『やっと…
────…会えたのに…!!』
ああもう
かつての相棒であった太宰に妻を奪われ
俺にとって全てだったものを俺から取り上げ
太宰がそういう人間なのもわかっていた
太宰が、Aに好意を寄せているのもわかっていた
全部分かってんだよ
太宰に頭脳戦じゃ到底敵わねェ事も
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茉耶 - 最近あひゃこさんの夢小説ばっかり見ていつも泣いてます!毎回いい作品をありがとうございます!!また太宰さんの小説書いて欲しいです! (2019年8月11日 16時) (レス) id: 2037e6e45f (このIDを非表示/違反報告)
−こま−(プロフ) - 太宰さんんんんん!!かっこいいーー!!!好きですううう!作者さんも、太宰さんも愛してます← (2018年11月22日 20時) (レス) id: 43a4a6fc1b (このIDを非表示/違反報告)
長月冬麻(プロフ) - すっっっごい面白かったです!ヤンデレ文豪さん、ほわぁ…真逆中也さんがあんなことをしていたなんて、さいっっっこうのドンデン返しでしたっ!私あんまり死落ちのヤンデレさん好きではないんですけど、すっっっごい面白くて、好き以外に選択肢がなかったです。 (2018年7月28日 19時) (レス) id: 0ab6a974b3 (このIDを非表示/違反報告)
あひゃこ(プロフ) - かしさん» コメントありがとうございます! いつも死ぬ時は大体途切らせちゃってるのでわかりずらいんですよね(><)すみませんm(_ _)m 閲覧ありがとうございます! (2018年6月19日 21時) (レス) id: 782bc5610f (このIDを非表示/違反報告)
かし(プロフ) - 物凄く面白かったです!最後に夢主の回想が途切れた時はえ?あれ?タブレット壊れた?と思いましたが、そう言うことだったんですね! (2018年6月19日 17時) (レス) id: 5b825520a3 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:私です x他1人 | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/my.php
作成日時:2018年3月27日 11時