MargueriteBoy♭-第14章-

紺色の羽根 ページ16

挨拶しながらされながら。
少しの談笑をしてするべきことをこなしていった

時計がないこの会場でましてや携帯を頻繁に出せる訳もなく
感覚だけを頼りに気にしすぎず気にする…


初めて会う方が多いこの会場で少しの緊張


「A〜！」

呼ばれて振り向けば知ってる顔に自然と緊張もほぐれた

この広い会場で久しぶりに会った方や今共演してる方にも遭遇して
小さな感動、最近の近況から会話も弾んで

挨拶をしなければいけない方々に挨拶をし終えた頃には


…当初予定していた時刻は既に過ぎていた


時計を見るとあと30分もすれば彼がお腹空く予定だと言っていた時間
嘘…ではないのに嘘だと思いたい気持ちと早く帰らなきゃ…と焦る気持ち


帰りたくて見つけたマネおっぱに声をかけてみたけれど
同じ事務所の方も沢山来てるこの場所にマネージャーが数人帰ったと。
帰りは何人か合流してからバンで帰ると言われたのが運の……尽き



会場を出てみてもまだ誰ー…もいない。


「先に言ってよ…もー…。」

急いだ努力さえ水の泡になっていく感覚に…波打つ心
…わかってる、勝手な八つ当たり…。


会場外のがらん、としているソファに腰をかけて過ぎていく時間を恨めしく思って…
休憩がてら出てきた方と代わる代わるお話しをしてみても気になるのは時間だけ……



時計を見たら残り30分あった時間がその半分になってた

諦めも肝心だと連絡を入れようとクランチバックに手を入れると




「何してんの？」


聞こえたその声に顔を上げた





手に持っている紺色のコートが…天使の羽根だと思った




本当に。

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