MargueriteBoy♭-第13章-

ケーキより甘い ページ39

これかな、あれかな、そう思っても口にしないでただゆらゆらと揺れてひょくを待った


「…歌は？好き？」

少しすると再び小さく問われたそれ…。

歌？…ドンへさんの歌のこと？思い返してみてもそれくらいしか思い当たる節がない


これが引っかかってたのか…と私の謎は解けて
今度はひょくが抱えてる謎を私が彼に解く番



確かに甘い歌は好き。



好き



だけど…


「うん、けどー…その中の甘いrapとひょくのパートはもっと好き」

そう返すと、ふっと笑う振動を肩に感じた

何故か耳に残るひょくのパート
何故か…なんて簡単すぎるこの問題の答えはわかっている。


すっ、と肩の重みが軽くなってお腹に加わってた力が緩み
解かれてはいないひょくの腕のサークル内でくるりと回転すると

…いつものひょくがそこにいた


白い手が私の口元に伸びてきてマスクをそっ…と引っ張ろうとするから
その手首を掴んで背伸びをしてマスクをしたまま


…ちゅっ、


と自らひょくの唇を奪った


「“ケーキよりもピリッとする”＾＾？」


それは、、彼の親友が作った甘い歌に出てくるひょくの甘い甘ー…い囁き

私なりの…小さな証明。


私のそんな意図に、一時停止してからケーキよりも甘い極上の笑顔をくれた


「マスクあったらわかんないよ。」

再度私たちの間に阻むその邪魔者に手にかけようとするから

「治るまで駄目。笑」

マスクを手で覆って阻止をすると腕ごとぎゅっ、と抱きしめられた




どんな甘い歌もその中の愛しい人の声は更に甘くて

どんな切ない歌もその中の愛しい人の声で更に胸が苦しくなる



どんな歌でも無意識に。

気付けばひょくの声を探してる

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