MargueriteBoy♭-第13章-

大丈夫じゃない ページ26

なんでいるのかさえもまだわかってなくて混乱してるのに
ひょくの眉間にシワが寄ってて…怖くて困惑して混乱した


「ぇ…？…なんで？」

掛けておいたタオルケットを掴んだまま
床に倒れてた体をずりずりと起こしてソファに寄りかかった

振り返るとセナさんはまだキッチンにいるようで
多分きっとそこまでは眠っていない自分に安心した


「話、したくて連絡したんだけど…」

微かに聞こえたその声にイヤホンを外しながら携帯を手に取ると数回の着信とメッセージ…
ガヤガヤ…それが嫌でマナーモードにしていたのを忘れてた、、


立っていたひょくが膝をついて腕を伸ばしてきて…つい身構えた

身構えてしまった瞬間の切なそうなひょくの顔がぎゅっ、と胸を苦しくさせた

身構えてしまったからなのか一時停止したひょくの手が
そっ…と首に触れて冷たくてヒヤリとした

「…ぁつ」

クリアになったひょくのいつもより優しい声

切なそうな顔が悲しそうな顔になって、、
苦しい胸に喉に何かがつかえて更に苦しい…そんな感覚


「…汗…かいてるから…」

おずおずと手を伸ばして手のひらを押し返すとそのまま手の甲が頬に触れた

「…熱は？」

顔にかかった髪の毛を耳にかけようとしてくれた手を

「…そんなないから大丈夫、移るから帰って。」

そっと手首を掴んで自分の肌から離した


「俺は大丈夫だから」

小さく笑って小さく横に首を振るひょく

「私が大丈夫じゃない」

だけど…全然大丈夫じゃない

ひょくが来てから苦しさは増すばかりで。


こんなことになって話すどころではないこと、
心配してくれてるのはわかる、

けど。


会いたいと願った相手が突然現れて


気まずいより、

嬉しい、より。


少し隙間のあいてる私たちを実感して苦しくなる胸……の方が耐え難かった

誰の女→←重い瞼

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