MargueriteBoy♭-第13章-

不可解ポケット ページ22

キュヒョンのせいで寿命は縮んで体温は上がった気がした
少し離れた場所でコールを鳴らすと割と早く繋がった電話


「ヤー…笑 なにこれ…どうするの笑」

電話が繋がってすぐに問い詰めた

強いてわかったのは一緒に付いてきたCDはきっと
隠したい“ひょん”に聞かれたら言い訳に使えってことなんだろうな…というくらいで。

もう入ってるものが不思議すぎて説明が欲しいものばかりで笑いしか出てこなかった


「何これって？笑」

わかってるであろうくせに、くくと笑うキュヒョンに

「エーイ…本当に…笑 これどこの体温計…笑」

質問しながらも笑いが抑えきれなかった

新しそうには見えないこの体温計もそうだけど
他にも２錠だけ入ってた薬と思われる錠剤にスポーツドリンク
音楽プレーヤーまで入っていて、

私には四次元ポケットならぬ不可解ポケットだった


「…事務所の。笑 ここ出てる時間なかった。笑」

くくく、と笑いながら計らないからだろ、後で返しておけば大丈夫なんて言いながら

昼用の薬だということと
食欲ないかと思ったからスポーツドリンク入れておいた、と。

今日は珈琲は飲まない方がいい、と言われてさっき受け取った珈琲を持ってる私は笑うしかなかった


「これは誰の…？笑」

「ＭＰ3？俺。いい声入ってるから感謝して＾＾」

思い出した少し前の会話に笑って納得した

おすすめは何番だから、なんて曲のおすすめまでされて
体温計はいつか返して、なんて
笑いながら呑気なことを言うキュヒョンにお礼を言って電話を切った


はー…と息を吐いて袋を覗くとまだ笑いが溢れてしまうけど。

この薬も体温計同様にきっと事務所からくすねたもので
まだぬるくなりきってないスポーツドリンクは事務所の自動販売機で買ったのかな
ＭＰ3の画面をスクロールさせて見るとキュヒョンの歌の他にもバラードが沢山入ってた


不可解ポケットはキュヒョンの優しさがいっぱいだった

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