MargueriteBoy♭-第13章-

今、 ページ14

あんなこと言っても家に帰ってからひょくが来る準備をして
今だって久しぶりに会えるひょくを楽しみに眠気眼をなんとか起こさないと、と努力してる

今は寂しいよりもうすぐ会える喜びの方が勝ってた

シンドンさんの代打ＭＣをすると言ってたな、なんて思いつつ
見えるラジオと言っていた彼の言葉を思い出してＰＣを付けて彼の頑張りを見ようとへばりついた


けど、それは大きな選択ミスだったようで。


ゲストにやってきたのはひょくが好きだ、とあげたガールズグループの１組だった

リスナーさんに“気をしっかりしてください”と言われるくらいのデレデレっぷり

デレデレとするひょくが可愛い、と思えるのはきっともうすぐ会える
その約束があったからで…余裕があったわけじゃない

絶対に余裕なんかじゃなかったのに。


クイズゲームでの質問にそんな約束、もうどうでもよくなった


“イベントを忘れた時がした行動は？”

“気に入った人の前で嘘をついてしまったことは？”

“僕が好きになった人の共通点は？”

“僕が１番長くキスをした時間は？”


次々に彼女たちが答えを出していった



誰、とか、いつ。とかもちろんひょくの口からは一切言わないから

私にわかるのは“私じゃない誰か”ということだけ。


特定なんて出来るわけもないけど嫌でも頭に過るのは“例の彼女”で

どんなに愛してると言われても。
普段思い出しもしないしもう大丈夫、だと思っても…きっと私はどこかあの子に弱くて脆い

彼女の存在が憎い、なんてことは決してない
けど誰にでもある触れられたくない部分

ついて回る…思い出したくない悲しい思い出

彼のあの子への愛の大きさを知ってしまっているせいもあるけれど
今は冗談でも口にして欲しくなかった



今、彼の頭の中を独占しているであろう昔の大きな存在と

今、彼の視線を独占している新しい不安の種


今、、彼の中に自分の存在を見つけ出せそうにないことが…辛い

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