幸せですかと尋ねられたら [冨岡義勇] (ページ11)

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冨岡さん、起きないなぁ

あの女の人、しのぶさん…冨岡さんの同僚なのね

よかったわ

よかったわ？

何かしら、私、まるで冨岡さんのこと…す、好きみたいな…

って何言ってるのかしら！！

私には健さんがいるじゃない！！

冨｢A…｣

『ッ…///』

寝言？寝言なの？

今私の名前…よく考えると初めて、呼ばれたかもしれないわ

冨｢ん…？｣

『お、起きたのですか？』

冨｢ここは…蝶屋敷か？｣

『冨岡さん、任務中に怪我なさってしのぶさんが手当てしてくれたんですよ』

冨｢あぁ…そうか…迷惑をかけたな｣

『本当ですよ！！心配…したんですから…』

冨｢心配してくれたのか？｣

『あ、当たり前じゃないですか！！

早く家に帰りますよ！！』

プンスカ怒るAを少し微笑んで見つめる冨岡だった

再度しのぶさんにお礼を言って蝶屋敷をあとにした

『もう怪我とかやめてくださいね』

冨｢あぁ、善処する｣

冨岡さんが立ち止まった

『冨岡さん？』

こちらを振り返って手を出してくる

『？』

冨｢手、繋がないか？｣

『…!!』

夕日のせいかもしれないが冨岡さんの顔はほんの少し赤い気がする

少し俯いてこっくり頷くと冨岡さんは私の手を掴んでまた前を向いて歩き出した

大きくて、暖かくて、マメだらけの優しい手だった